精神障害者保健福祉手帳を持つ方に|見逃している手続きありませんか?

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経年変化とマインドと

精神障害者保健福祉手帳。

みなさんは、どんなイメージを持たれますでしょうか?

中には交付該当者であっても、精神障害者保健福祉手帳を持つことに拒否感を持たれている方もいらっしゃると思います。

 

鬱病・双極性障害と共に歩んできて、早18年あまりの私。

実を言うと私自身、精神障害者保健福祉手帳を持つようになったのは、昨年末からです。

 

拒否感はなかったのですが、なぜか今まで申請をしてきませんでした。

たぶん、介護福祉士として勤めていたことが、心の片隅でストップをかけていたのかもしれません。

今思うと、どこか知らず知らずのうちに

精神障害者保健福祉手帳への偏見があったのかも…

 

無知の恥。

私は人には精神障害者保健福祉手帳の交付申請を勧めたり、手帳を持つ人の心のケアに務めてきた人間。

なのに、肝心の自分とは向き合っていない・・・

すごく矛盾していると、勤め人だった時から感じていました。

 

昨年フリーランスとなり、自分と向き合う時間が増えました。

気づく中年男性 画像自分の病気と共存していく覚悟が、今までなかったのかな。

これからは素直にありのまま、自分を受け入れて生きていこう。

そう思うようになり、病気と共に歩んで18年経ってようやく申請しました。

 

申請から約3か月後。

やっと交付された精神障害者保健福祉手帳。

精神障害者保健福祉手帳を持つ身となり、はじめて様々な誤解をしていたと知ることに…

 

今回は精神障害者保健福祉手帳の申請・所持に抵抗感や拒否感を抱く方の気持ちが、少しでも楽になるように。

そして、見逃している手続きについて、私の経験を含めてご紹介します。

 

精神障害者保健福祉手帳を持つことで自分を卑下したり、悪い事とは決して思わないでください。

私は「お守り代わり」と思って、持っていますよ。

 

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精神障害者保健福祉手帳を持つということ

絶望から手を差し伸べる 写真

 

10年ほど前、私の知人がこんなことを言ってきました。

泣く女性 画像精神障害者保健福祉手帳を持つことになっちゃった・・・

国のお世話になるなんて嫌よ…

私は知人から放たれた言葉にもビックリしたのですが、今まで手帳を持っていなかったことに衝撃を受けました。

なんせ、典型的な交付該当者であったからです。

疑問な中年男性 画像よく今まで、手帳を持っていなかったな・・・

と内心思っていたものの、精神障害者保健福祉手帳を持つことに対し、非常に否定感を募らせている知人。

 

「精神障害者保健福祉手帳を持つこと = どうしようもない自分 = 悪」

と超がつくほどの偏り過ぎた偏見を、知人は持っていました。

それも、病気の症状ではあるのですがね💦

 

知人は税金のお世話になりたくないということも話しており、「何かしらのお世話になりたくない」ということに終始していたと記憶しています。

私は知人に

・ 精神障害者保健福祉手帳は、病気の人にとって強い味方になること

・ お世話になりたくなければ、元気になってから寄付などで社会に返していけば良いこと

を話しました。

 

にこやかな中年男性 画像まずは、精神障害者保健福祉手帳を持つことで受けれる恩恵をうまく活用し、元気に日々過ごせるようになること。

それが最優先だよ!

色々考えるのは、元気になってからでも遅くはないよ。

精神的な病気で苦しんでいる人は、どうしてもネガティブ思考に囚われてしまいます。

誰かがポジティブ思考へと引き上げなければいけません。

しかし、それを疎ましく思うのも現実問題あります。

だからこそ身近な人が、辛抱強く寄り添う必要があるのだと思います。

 

ネガティブ思考に囚われている場合、それを否定してしまうと逆効果になる場合があります。

かといって、すべて肯定してしまうのも良くはありません。

「今現在はそういう思考なんだね」ということを認めてあげた上で、「今できることを、まず優先してやってみよう」という流れに持っていくことが大事です。

しかも、すぐにできるものを積み上げる。

スモールステップで成功体験を積み上げ、自信をつけさせることが大事だと考えます。

 

すみません、話が脱線してしまいましたね💦

知人は精神障害者福祉手帳を持つことで、自分が何かしらのお世話になることを嫌っていましたが、実際のところはどうなのでしょうか?

私も誤解していた部分がある、手帳を持つメリットとデメリットを見ていきます。

 

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精神障害者保健福祉手帳を持つメリットとデメリット

デメリットとメリット 写真

 

実はあまり知られていない精神障害者保健福祉手帳を持つメリットとデメリット。

偏見は”無知の恥”から起こることが、往々にしてあります。

実はデメリットを知ることで、手帳を持つことに対する抵抗感や拒否感を和らげることができるのです。

 

デメリット

手帳を交付されて持っているだけでは割引・サービス等を受けることはできない

実は、精神障害者保健福祉手帳を所持することで被るデメリットというものは、基本的にありません。

手帳を持っていることで受けれる恩恵は、何らかの手続きを行わない限り受けずにいることも可能であり、自分の意思で割引・サービスを受けるかどうか決めることができるのです。

そのため

手続きをしなければ、持っているだけでは割引・サービスを受けることができない

というデメリットがあるものの、手帳を持つことに抵抗感や拒否感を抱いていた方にとっては申請しやすくなるという、気持ちを和らげるメリットがあります。

精神障害者保健福祉手帳のお世話になるかどうかは、所持してからでも自分で自由に決めることができるということです。

 

手帳を持っているだけでは、勤め先にバレる心配はありません(※)

※ 精神障害者保健福祉手帳の交付に関わる勤め先を除く。

しかし、年末調整や確定申告などで障害者控除を受けた場合、源泉徴収票に記載され、そこからバレることはあります。

この障害者控除を受けるかどうかも、手帳所持者の判断に委ねられます。

 

また新たに就職や転職する場合、精神障害があることをオープンにするか、クローズにするかについても、手帳所持者が自由に決めることができます。

精神障害を持つことによる障害特性に応じた合理的配慮を望む場合は、オープンにして障害者雇用枠での採用を希望することができますし、配慮が必要なければクローズにし、一般採用を希望することができます。

※ 企業によっては手帳の有無に関わらず、採用者との面談等により、障害者雇用枠での採用をしてくれるところもあります。

 

いずれにしても、手帳所持者の意思が尊重されるわけです。

 

主治医に手帳交付申請のための診断書を作成してもらわなければいけない

手帳の交付申請をする場合、主治医の診断書が必須になるのですが、まず主治医から勧めるようなことはありません。

私も自ら精神障害者保健福祉手帳の申請をしたい旨を話し、はじめて主治医が診断書のことについて触れてくれたので。

 

手帳交付審査で適切な判定が行われるためにも、医師の診断書が重要な意味を持ちます。

そのため自分の現在の病状について、主治医にきちんと診断してもらわなければいけません。

通院していない方で手帳が必要になった方は、新たに主治医を探す必要があります。

 

診断書を依頼して作成してもらうまで1ヶ月ほどかかりますので、手帳申請を考えている方は、早めに主治医と相談することをオススメします。

また診断書作成料として、各病院・心療内科等で定められている文書発行料金(通常3千円前後)がかかりますので、準備しておく必要があります。

 

交付申請を各市区町村で行ってから回答までに3か月ほどかかる

医師から診断書を作成してもらったら、各市区町村の福祉課などの担当窓口で精神障害者保健福祉手帳の交付申請を行います。

申請に必要な書類等は、自分が申請する各市区町村の市・区役所、町・村役場のホームページなどで確認することができます。

各市区町村で申請を受け付けたあと、手帳の発行は各都道府県単位で行うこととなります。

 

交付申請をしたからといって、必ず交付されるわけではありません。

審査で交付該当と判定された場合にのみ、交付となります。

審査を経て回答までには3か月ほどかかり、私も交付まで3ヶ月ほど待ちました。

 

精神障害者保健福祉手帳は申請するために提出する診断書作成や、申請してから手帳交付までに日数がかかってしまうことが最大のデメリットと言えます。

 

手帳には有効期限があり、更新手続きは2年に1度行う必要がある

精神障害者保健福祉手帳の有効期限は2年と定められています。

自動更新はされず、自ら更新手続きを行わなければいけません。

更新手続き時には、再度医師の診断書等の提出が必要となります。

 

病院や心療内科によっては、手帳更新手続きの診断書をどうするか予め確認してくれるところもありますが、確認してくれない場合は、自ら依頼する必要があります。

診断書等の提出が遅れると、元の手帳の有効期限が切れて、新しい手帳が届かない失効期間が発生してしまいます。

※ 更新手続きは、有効期限の3か月前から各市区町村で可能

 

また症状が軽くなった場合、医師の診断書によっては更新手続きの審査で「非該当」となる場合もあります。

「更新できるか、却下されるか」という心配からくる心理的負担が、デメリットとも言えます。

【参考、引用:障がい者としごとマガジン『精神障害者保健福祉手帳を持つメリット・デメリットと障害福祉サービス』より】

 

メリット

精神障害者保健福祉手帳が交付されると、障害等級によって受けれる割引やサービス等が変わってきます。

また各都道府県によっても変わってくる可能性があるため、詳しくはお住まいの各市区町村、各都道府県の担当窓口で確認する必要があります。

 

例として北海道で受けれる割引・サービス等について、次からご説明します。

 

持っているだけでは割引・サービス等を受けることはできない ~見逃している手続きありませんか? 北海道編~

精神障害者保健福祉手帳の冊子 北海道 写真

 

先に説明していたように、精神障害者保健福祉手帳を持っているだけでは割引・サービス等を受けることはできません。

何らかの手続きが必要となります。

 

ここでは、北海道における精神障害者保健福祉手帳を所持する方の見逃しやすい手続きについて、ご説明します。

 

自立支援医療

精神通院にかかる患者負担について申請を行い、支給認定を受けた場合は、医療保険の本人負担分に対して給付されます。

率直に言うと、通常医療保険の本人負担分は基本的に3割負担ですが、自立支援医療を受けている方は2割を各市町村の公費で賄ってくれ、実質本人負担分が1割(自己負担額の上限設定あり)となる制度です。

≫ 詳しくはこちら

 

自立支援医療の申請は、精神障害者保健福祉手帳の有無に関わらず、各市町村の障害福祉担当課窓口にて、主治医からの診断書によって申請することができます。

私も手帳交付以前から、自立支援医療だけは受けておりました。

 

各種制度

制 度適 用手続き担当窓口
年金障害基礎年金各市町村の年金担当課など
手当特別障害者手当各市町村の障害福祉担当課など
住宅公営住宅の優先入居各市町村の公営住宅担当課など
融資生活福祉資金の貸し付け各社会福祉協議会など
就労支援職業相談や紹介各ハローワークなど

 

上記制度を利用・受給する場合は、各担当窓口での手続きが必要になります。

 

税金等の控除・免除

北海道では以下の税金等について、控除または免除が受けられます。

税金等種類手続き担当窓口
所得税各税務署または勤務先(年末調整にて)
住民税各市町村の住民税担当課
相続税各税務署
贈与税各税務署
郵便貯金・銀行預金等の利子等各税務署
自動車税・自動車取得税各支庁・各道税事務所
軽自動車税各市町村の税務担当課
個人事業税各支庁・各道税事務所

所得税や住民税の障害者控除は知られているところですが、身近な自動車税・軽自動車税の減免なども受けることができます。

自動車を所有している人にとっては見逃しやすい手続きなので、注意が必要です。

 

携帯電話機器の基本使用料等割引

実はあまり知られていないのが、携帯電話の割引。

これも精神障害者保健福祉手帳を持っている方は、各電話会社の営業窓口にて手続きすることができます。

※ 各携帯電話会社で障害者割引を設定しているものに限る

 

大手3キャリアでは障害者割引を設定しており

・ docomoの場合は「ハーティ割引」

・ SoftBankの場合は「ハートフレンド割引」

・ auの場合は「スマイルハート割引」

という名称で割引が適用となります。

 

私は先日、SoftBankで機種変更と同時に、ハートフレンド割引の手続きを行ってきました。

ソフトバンク ハートフレンド割引について 写真

私の場合、基本料金が毎月220円割引と機種変更手数料が無料になりました。

まぁ思っていたほどの割引ではないにしても、手続きをする価値はあります。

 

NTT無料番号案内

NTTの番号案内が無料となります。

手続きはNTT窓口にて行います。

 

代理投票制度

選挙の投票時、投票所において代理投票ができます。

詳しくは各市町村選挙管理委員会事務局に問い合わせたり、投票所担当者へ代理投票をお願いしたい旨伝えると対応してくれます。

 

障害福祉サービスの利用

障害者福祉サービスを受ける場合、各市町村への利用申請・支給決定が必要です。

決定が下りないと障害福祉サービスを受けることができないため、早めの申請が必要となります。

給付・支援事業サービス詳細手続き担当窓口
介護給付・ 居宅介護(ホームヘルプ)

・ 重度訪問介護

・ 行動援護

・ 重度障害者等包括支援

・ 児童デイサービス

・ 短期入所(ショートステイ)

・ 療養介護

・ 生活介護

・ 施設入所支援

・ 共同生活介護(ケアホホーム)

各市町村の障害福祉担当課
訓練等給付・ 自立訓練(機能・生活)

・ 就労移行支援

・ 就労継続支援(A型・B型)

・ 共同生活援助(グループホーム)

各市町村の障害福祉担当課
地域生活支援事業・ 相談支援

・ コミュニケーション支援

・ 日常生活用具

・ 移動支援

・ 地域活動支援センター

・ 福祉ホーム        等

各市町村の障害福祉担当課

 

入浴や食事といった生活に必要な活動を手伝ってもらいたい方。

外出時に付き添いが必要な方。

自立した生活を行うための訓練や、就労移行支援・就労継続支援を受けたい方などが、障害福祉サービスを受けることになります。

 

障害福祉サービスによっては、手帳を所持していなくても利用可能なものがあります。

しかし手帳があると、支給決定審査の判断材料になったり、サービスを利用する際の選択肢が広がったりします。

【参考、引用:障がい者としごとマガジン『精神障害者保健福祉手帳を持つメリット・デメリットと障害福祉サービス』より】

 

その他割引、サービス等

その他割引、サービス等手続き担当窓口
公共施設等利用料金の減免各公共施設等窓口
映画鑑賞料金の割引各映画館チケット窓口
交通機関・タクシーの割引各交通機関・タクシー車内および窓口
NHK受信料の減免NHK窓口
障害者雇用枠での就労障害者雇用を推進している企業の人事部等

上記は、精神障害者保健福祉手帳の提示や窓口申込等により、手続きを行うことができます。

 

 

精神障害者保健福祉手帳を持っていることに対するデメリットは、基本的にはありません。

手帳の恩恵を受けるかどうかは、手続きするかどうか。

手帳所持者の判断に委ねられます。

そういった意味でも、私のように「お守り代わり」として、手帳を持っている人も多いことでしょう。

 

国が定めた福祉制度。

お世話になりたくないからと拒否し続け、生活に困窮し最悪死んでしまっては、ただの犬死です。

”無知の恥”による、ただの犬死なのです。

プライドをかけるべく方向を間違っています。

 

誰しも元気がない時や病気の時は、誰かに助けられています。

お世話されているわけです。

そのお世話を好意的に受け止め、元気になったり病気が良くなってから、受けた恩を返してあげればいいんです。

 

まずは元気になること。

日々の生活を過ごせるようになることが、最優先です。

そのための福祉制度なのですから。

有効活用し、元気を取り戻しましょう!

 

精神障害者保健福祉手帳の申請・所持に抵抗感や拒否感を抱いていた方の気持ちが、少しでも和らいでくれれば幸いです。

 

 









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