前回、経年変化をリセットする邪法として、革製品の丸洗いについて
教えていただきました。 |
はい。
私がこれまで実際に行ってきた、スマホホルスターとREDWINGブーツの 丸洗いについてでしたね。 |
『神の所業か悪魔の所業か丸洗い』なんてタイトルついてますが
これまでの実践例を見ると、神の所業としか思えない出来でしたよね。 |
そうですね。
<前編>でご紹介した実践例は、どちらも丸洗い成功例でしたからね。 |
REDWINGブーツなんて、丸洗いで経年変化をリセットしたハズなのに
ミンクオイルでブーツケアしたら、丸洗い前よりも経年変化が良くなった そんな例もありましたよね。 |
そうでしたね。
<前編>だけ見ると、革製品の丸洗いは神の所業と言えなくもないですよね。 <前編>だけならね… |
<前編>だけなら、ですか…
今回、革製品の丸洗い<後編>になるわけですが、悪魔の所業に関する 実践例ということですよね? |
そうなんですよ…
悪魔の所業、言わば革製品の丸洗いを行ったことによる失敗例について ご紹介しようと思います。 |
革製品丸洗いの失敗例ですか…
「100発100中で成功する」ものではないんですね。 |
だからこその『経年変化をリセットする邪法』と題してるわけで…
革製品丸洗いにはメリット、デメリットがあるので、知識として覚えておくと もし、みなさんが行おうとしている時の参考になるのかなと。 |
こう言ってはなんですが、ぜひ失敗例を教えてください。
私、失敗したくないので… |
わかりました。
では、私が実際に経験した失敗例について、お話しますね。 |
はい。
みなさん、こんにちは!
いきなり、挨拶から始まったわけですけれども(笑)
前回、革製品の丸洗い例として、スマホホルスターとREDWINGブーツの丸洗いについて、ご紹介しました。
<前編>の最後でお伝えしていたとおり、<後編>の今回は
について、ご紹介します。
経年変化をリセットする邪法が牙を剥く!B-3ジャケットの悲惨な末路
革製品の丸洗い。
あまりオススメしない理由が、丸洗いにはリスクが伴うということ。
というのは、やはり基本なんです。
革製品にカビが生えたり、汚れたり。
本来なら捨てるであろう”経年劣化”してしまった革製品。
どうせ捨てるぐらいならダメで元々、丸洗いしてみては? |
というのが、私のスタンス。
あくまでも革製品の丸洗いは、自己責任で行う必要があります。
自分で行うんですからね。
きちんと丸洗いには、メリットとともにデメリットもあるということを十分理解した上で、私の失敗例について見ていただければ幸いです。
B-3ジャケット 丸洗い前の状態
2018年の11月。
<前編>でご紹介したREDWINGブーツの丸洗いから5か月後に、今度はB-3ジャケットの丸洗いに挑戦しました。
首元のベルト部分に、白カビが生えています💦
まぁ、このB-3ジャケット。
私が高校生時代に購入したもの。
当時、2万円ほどで購入した記憶があります。
もうかれこれ20年以上も前の、年季の入ったB-3ジャケット。
このB-3ジャケットを甦らせようと、丸洗いをしたわけです。
それが思わぬことになるとは…
この時はまだ、知る由もありませんでした。
B-3ジャケットを丸洗い
このB-3ジャケットもYoutuberチョコダディさんの動画を参考に、丸洗いしました。
今ではどの動画を参考にして丸洗いしたのか、忘れてしまい…
当時、丸洗いした時のやり方に近い動画を、参考までにご紹介しますね。
【動画引用:チョコダディ『ハーレーダビッドソンの革ジャンを豪快に丸洗いする! HARLEY‐DAVIDSON 革ジャン洗濯』より】
B-3ジャケット 丸洗い後の状態
それでは衝撃的な失敗例を、これからご覧に入れます!
心の準備はいいですか? 見たら「何コレ!?」となること、必至です(笑) その全貌を、とくとご覧あれ! |
ジャーーーーーーーンッ‼
何コレぇ~~~~~www
革のつなぎ目の色!
色ってか、素材!!
革じゃねーのかよっ!!!
首元のベルト部分。
こちらも、革じゃありませんでした💦
つなぎ目もベルトも、何らかの生地に茶色く着色していただけのことが判明。
もう、ガッカリです!
まぁ、B-3ジャケットって、本革なら2万円なんて値段で買えないのは、わかっていましたよ。
えぇ、わかっていましたとも。
エセB-3ジャケットということはね…
それにしても、つなぎ目とベルトのこの仕打ち。
予想のはるか右斜め上を、越えてきました。
まぁ、丸洗いした時に温水を使ったのも、悪かったとは思いますよ。
なんせ11月に丸洗いを行ったので、水だと冷たいでしょ?
だから温水を使ったのです。
革製品を丸洗いする場合、できれば水が良いとされている理由。
それは、ゴムのり等の接着剤やコーティング剤を、落とし過ぎてしまう可能性があるから。
温水でエセB-3ジャケットを丸洗いしたら、化けの皮を剥いでしまった…
しかも自宅はオール電化住宅のため、貯蓄している温水を丸洗いでかなり使い、温水残量が少なくなって父親に怒られたという余談話もあるのです。
エセB-3ジャケットのおかげで、丸洗いは失敗するわ、父親には怒られるわで、もう踏んだり蹴ったり。
何よりも、エセB-3ジャケットの変わりようにショックを受け、丸洗いの怖さを知りました。
今思えば、良い経験だったなぁと思います。
革製品の丸洗いって、成功例ばかりじゃないんだなぁ。
たいが。 ※ 相田みつを風に(笑) |
ということがわかったので。
どうせダメで元々、B-3ジャケットのリペアに挑戦!
まぁ、どうせダメで元々。
そういう気持ちで、丸洗いしているわけです。
丸洗いしたら、ダメだっただけの話。
ダメだったのなら、いい機会!
リペア方法を練習すればいいじゃない!! |
なんという、ポジティブ思考(笑)
何事も、失敗から学ぶものです!
「失敗なくして、成功なし」ですよ。
リペア方法についても、チョコダディさんの動画を参考に行いました。
ダイソーでシューポリッシュを購入し、それをつなぎ目やベルト部分も含め、革全体に塗っていきます。
シューポリッシュの上部スポンジ部分は、取り外し可能。
チョコダディさんの動画で、初めて知りました。
シューポリッシュの液体を、お馴染み染色用カップで使っているゼリー容器にあけました。
つなぎ目やベルト部分、ムートンとの境目などの細かな作業が必要な部分は、筆を使い塗っていきました。
面積の広い革の部分は、シューポリッシュの上部スポンジを外さない状態、言わば購入してきた状態のまま、靴を塗るようにB-3ジャケットにも塗っていきました。
さてさて、リペア後はどうなったのか?
次でご紹介しますね。
B-3ジャケット リペア後の状態
違いがわかるように、B-3ジャケットの左袖は、リペア前の状態にしております。
リペア前の状態よりは、リペア後の状態の方がマシなように見えます。
ただ、革部分にはテカりというか、カピカピ状態に。
つなぎ目やベルト部分は、何らかの生地を着色したことが丸わかり状態となりました。
丸洗い前の状態と比べてみると、その違いがわかります。
質感が全然違いますよね。
つなぎ目やベルト部分も、革全体も。
素人の丸洗いとリペア技術では、ここまでが限界。
これが、経年変化をリセットするのは邪法であり、悪魔の所業と私が呼ぶ理由がわかる一例です。
まとめ:失敗しない一番の方法は、革製品専門のクリーニング業者に依頼すること
革製品の丸洗いって、失敗する可能性があることも考えて
行わなければいけないんですね。 |
そうですね。
一般のクリーニング店で、革製品を取り扱っていないお店が多いのは 「リスクの割に、手間ひまがかかる」ということもあるんでしょうね。 |
長年、大事に使ってきた革製品が汚れたり、カビが生えたりした場合
どうしても失敗せずにキレイにしたい時は、どうすればいいですか? |
その場合は、革製品専門でクリーニングを行ってくれる業者さんに依頼
することをオススメします! |
革製品の丸洗いは、革の種類や品質によっても、成功するかどうか影響してきます。
失敗したくない方は、革製品専門のクリーニング店に依頼した方が値段はかかりますが、安心を購入する事ができます。
上記クリーニング店は、ブランドバッグで使用されている革製品にも対応してくれる、創業60年を誇る老舗クリーニング店。
ネットから注文できるクリーニングの宅配サービスとして、重宝されています。
革製品というものは、使い続けるために日々のお手入れが大事なアイテム。
「使い続けながら育てる」とでもいいましょうか。
育てる過程で、汚れてしまったりカビが生えてしまったり。
人間の子供だって、育てる過程で病気になることがありますよね。
子どもが病気になったら、どうしますか?
病院に連れていき、お医者さんに診てもらいますよね。
革製品だって同じこと。
自分でどうしようもできなければ専門の方にお願いするのが、早期発見・早期治療につながります。
そのための、革製品専門クリーニング店の利用なんですね。
ダメで元々、自分で丸洗いやリペアをしたいんだ!
愛着もわくし。 |
という方は、ご自分で革製品の丸洗いを行う「経年変化をリセットする邪法」を試してみるのも良いでしょう。
革製品を甦らせたいけど、失敗はしたくない。
思い入れのある、革製品だから… |
という方は、革製品専門のクリーニング店に依頼し、「安心をお金で購入する方法」をオススメします。
とにもかくにも、革製品は日々のお手入れが大事。
クリーニング依頼して甦っても、日々のお手入れをサボっていたら、いずれ汚れたりカビが生えたりすることに。
革製品を育てる自覚を持ち、思い入れのある革製品と会話を楽しみながら、お手入れしてあげてくださいね。
そうすると革製品は、あなた色の経年変化を遂げてくれますから。
革製品と一緒に、経年変化を楽しみましょう!
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