こんばんは。TAIGAです。
レザークラフトをしている方から
こういった質問をよく受けます。
革の染色って、簡単そうで実は難しい。
染色したことがある人はわかると思います。
ということが結構ありませんか?
また、初心者の方だと「染色道具は何を使えばいいかわからない」ということもあるでしょう。
そこでTAIGAの経験と知識から、みなさまへ
をご紹介します。
- 革を染色するために使う道具
- 染色に便利な「てるてる坊主」を作ろう!
- 染色後の色ムラが起こるのを防ぐ染色方法
- ①染料をよく振っておく
- ②染料をカップに出し、水をいれて5倍程度に薄める
- ③染色する革の表面を水でぬらす
- ④てるてる坊主に薄めた染料を含ませて、革に円を描くように革全体を塗っていく
- ⑤革全体を円を描くように塗ったら、今度は縦方向に革全体を塗っていく
- ⑥革全体を縦方向に塗ったら、今度は横方向に革全体を塗っていく
- ⑦革全体を横方向に塗ったら、今度は斜め方向に革全体を塗っていく
- ⑧革全体を斜め方向に塗ったら、今度は⑥とは逆の斜め方向に革全体を塗っていく
- ⑨革全体を逆斜め方向に塗ったら、最後に再び円を描くように革全体を塗っていく
- ⑩「革を完全に乾かしてから、染色手順の④から⑨を再び行う」という重ね塗りを、最低でも2回以上行う
- まとめ
革を染色するために使う道具
まずは、TAIGAが革を染色するために使う道具を揃えてみました。
「クラフト染料」と「クラフトスポンジ」は、レザークラフト用のものです。
今回、染色する色は「牡丹」を選びました。
他のものは市販のものだったり、自作します。
ここで注意が必要なのが、染料を塗る際に下敷きにする紙についてです。
革に染料を塗る際は、下敷きにする紙は必須です。
印字の無いダンボールやコピーの裏紙等で問題ないのですが、新聞等についてくるチラシやパンフレット等の冊子を使用する場合は、水で濡れても印字されたものが滲まないかどうかの確認を行ってください。
TAIGA自身、失敗経験がありまして、普通パンフレット等の冊子の表面ってコーティングされてて水で濡れても印字されたものが滲まないと思っていたのです。
しかし、長時間染料で濡れてる革を置いていたところ、コーティングされていると思っていた冊子の印字が滲んでしまい、革に印字のインクがついてしまうという大惨事に。
せっかく作った作品が台無しになってしまいました(涙)
こういう悲惨なことが起こらないように、染色する際の下敷きに使う紙にも気を配るクセをつけていた方が良いです。
染色に便利な「てるてる坊主」を作ろう!
染色する際の道具には、ハケや筆もあります。
今回、正七角形コースターを実際に染色していきますが、なるべく色ムラを防ぎたいのであれば、自作の「てるてる坊主」を使って塗る方が良いです。
この「てるてる坊主」を使って塗る染色方法は、TAIGAがレザークラフト体験にて教わった講師の方にもオススメされた方法です。
ただし、ハケや筆を使わなければならない染色もあります。
例えば
※塗るのは早くなるが、使用する染料の量が多くなってしまうデメリットがある
などです。
レザーコースターなどの小物の染色で、革全体を染色する場合は「てるてる坊主」がオススメです。
「てるてる坊主」の材料について
「てるてる坊主」を作るための材料です。
「てるてる坊主」は消耗品のため、染色で使ったらゴミで捨てれる素材を使用しましょう。
「てるてる坊主」の作り方
それでは「てるてる坊主」を作っていきましょう!
「わた」を適当な大きさで取り分けます。
取り分けた「わた」を手で丸めます。
丸めた「わた」を布切れに包みます。
布切れにうまく包んでください。
私のやり方は、対角線上の布切れの端で包んで、もう片方の対角線上の布切れの端で包みます。
「てるてる坊主」の形になってきましたね。
「わた」をもう少し丁寧に包み直します。
「わた」を丁寧に包み直し、「てるてる坊主」の形が整いましたね。
「てるてる坊主」の形が整ったら、「てるてる坊主」の首にあたる部分を輪ゴムで開かないように締めます。
はい!
「てるてる坊主」の出来上がり~♪
これが染色する際に重宝する「てるてる坊主」になります。
トップコートなどの色止めや、革表面のコーティング剤を塗るのにも使用します。
染色後の色ムラが起こるのを防ぐ染色方法
それでは、自作した「てるてる坊主」を使って、レザーコースターを染色していきます。
今回は、色ムラが起こる現象について極力対処した染色方法を説明します。
①染料をよく振っておく
写真でもわかるように、手がぶれてますよね。
この、手がぶれるくらい
ことがポイントです。
染料が泡立つくらい、よく振っちゃって大丈夫です。
②染料をカップに出し、水をいれて5倍程度に薄める
TAIGAが染料を入れるカップに使っている容器は、市販のゼリー容器を再利用しています。
洗うのも簡単なので、重宝してます。
染料をカップに出す際のコツがあります。
です。
よく振った染料ボトルを見てみましょう。
泡立った部分が、染料ボトルの上部分(注ぎ口付近)にあるのがわかりますよね。
それでは、染料ボトルを逆さにしてみます。
染料ボトルを逆さにしたら、染料ボトルの底部分に泡が移動しましたね。
はい、コレです!
染料ボトルを傾けることで、染料ボトルの注ぎ口付近にある泡立ちをボトル底の方へ移動させます。
この現象を用いて、なるべく染料の泡立った部分をカップに出さないように、液体だけを出します。
染色ボトル注ぎ口付近にある染料の泡立ちを
染色ボトルを傾けることで、ボトル底の方へ泡立ちが移動しました。
染料をカップに出す際には、染料ボトルをつまんで出す必要があります。
つままないと、数滴しか出ません。
これをうまく利用し、まず染料ボトルの注ぎ口付近にある泡立ちをを、ボトル底の方へ移動させてから、染料ボトルをつまんでカップに染料を出します。
うまく泡立ち部分を入れずに写真のように染料をカップに出したら、もう一つのカップに水を入れて、染料を5倍程度に薄めます。
色ムラを防ぐ染色方法のコツの一つが
です。
初心者の方で染色失敗する理由に
というのがあります。
これは色ムラになる原因の一つで、染料ボトルラベル裏面にある使用法にも
の記載があります。
染料を薄めて使うことを守らなければ、色ムラになりますのでお気をつけて。
③染色する革の表面を水でぬらす
これも色ムラを防ぐ染色方法のコツの一つです。
染色用染料を薄めて、革の表面も水で濡らしておくことで、一気に革の表面が着色するのを防ぐことができます。
とことん薄めながら染色してるイメージがありますが、色ムラ防止のために薄めることは大事なんですね。
革の表面を水でぬらす際に活躍するのが「クラフトスポンジ」です。
容器に水を入れて、クラフトスポンジに水を含ませます。
余分な水は、クラフトスポンジをつまむことで排出できます。
染色する革表面全体に、クラフトスポンジを使って均一にぬらしていきます。
これで、革の表面をぬらすことができました。
④てるてる坊主に薄めた染料を含ませて、革に円を描くように革全体を塗っていく
それではいよいよ「てるてる坊主」を使って、革に染色していきます。
色ムラを防ぐ染色方法のコツの一つ
ということを行っていきます。
一方向だけの塗り方だと、革にグラデーションがかかったような色ムラになってしまうからです。
まず「てるてる坊主」に、5倍に薄めた染料をつけます。
染料をつけた「てるてる坊主」を、円を描くように革にこすりつけて塗っていきます。
⑤革全体を円を描くように塗ったら、今度は縦方向に革全体を塗っていく
次は「てるてる坊主」を、縦方向にこすりつけて塗っていきます。
⑥革全体を縦方向に塗ったら、今度は横方向に革全体を塗っていく
次は「てるてる坊主」を、横方向にこすりつけて塗っていきます。
⑦革全体を横方向に塗ったら、今度は斜め方向に革全体を塗っていく
次は「てるてる坊主」を、斜め方向にこすりつけて塗っていきます。
⑧革全体を斜め方向に塗ったら、今度は⑥とは逆の斜め方向に革全体を塗っていく
次は「てるてる坊主」を、逆斜め方向にこすりつけて塗っていきます。
⑨革全体を逆斜め方向に塗ったら、最後に再び円を描くように革全体を塗っていく
最後に「てるてる坊主」を、再び円を描くように革にこすりつけて塗って1回目の染色が終了です。
と思った方。
写真でもわかるとおり、色ムラ確定です!
⑩「革を完全に乾かしてから、染色手順の④から⑨を再び行う」という重ね塗りを、最低でも2回以上行う
色ムラを防ぐ染色方法の最後のコツが
です
染色の重ね塗りは、最低でも2回は必要だと私は思います。
本来であれば1回目の染色が終わって、完全に革が乾いてから2回目の染色をするのですが、試しに1時間ごとに重ね塗りをした写真をお見せします。
【2回目の染色】
【3回目の染色】
色は少し濃くなった気がしますが、本来は革を完全に乾かしてから2回目、3回目と重ね塗りしなければ革にダメージを与えてしまいます。
革もずっとぬれてる状態が続くと、カビが生えてしまったり、革の表面が弱くなってしまいます。
実は3回目の写真の革の表面に、毛羽立ちができるようになってしまいました。
革を完全に乾かさないで重ね塗りした代償でしょうね。
これを忘れないでください。
革が完全に乾くためには、半日~1日はかかると思います。
染色だけでも3回染色するだけで、2~3日はかかってしまう計算になります。
ただし、染色回数を多くし過ぎても、革はダメージを受けてしまうので3~5回の染色回数を目安にしましょう。
色を濃くしたければ、1回目で作った薄さよりも、2回目、3回目と染料の原液を多めにいれていき、徐々に水での希釈倍数を減らしていくことで濃く染色することができます。
もしも、染料原液を希釈せずにそのまま使いたい場合は、最低でも3回目の重ね塗り以降にします。
そうすることで、染色による色ムラを防ぐことになります。
まとめ
革の染色は、その人の性格が出るといっても過言ではありません。
せっかちな人だと、革を完全に乾かす前に塗ってしまって失敗してしまったり、塗り方が雑になってしまいます。
染色後の色ムラが起こるのを防ぐ染色方法は、気持ちを落ちつけて丁寧に、そして待つときは待つという気持ちの大らかさが必要です。
レザークラフト作成も気持ちが大事ですよ!
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