エタノール濃度の謎。消毒液として推奨されている濃度とは何%?

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経年変化とケア用品と

普段、手指や物品に使っている消毒・除菌用品。

もしかしたら、消毒効果が得られない商品を使っている可能性があることは、ご存知でしたか?

 

えっ⁉マジで?

と思われた方。

 

マジです!!

 

「○○消毒液」という商品名がついているため、消毒効果があるものと思い購入し、使っている

しかし、実は消毒効果が不十分だったり、得られない商品も悲しいかな存在しているのです。

 

今回は

エタノールについての正しい知識を身につけ、「消毒効果のない消毒液」を購入しない

ための記事となります。

 

新型コロナ禍の現代を乗り切るために、お役立ていただければ幸いです。

 

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まぎらわしいアルコールやメタノール。エタノールとの違いは?

数々のお酒 写真

 

あなたは

・エタノール

・アルコール

・メタノール

の違いは、わかりますか?

 

3つとも「○○○ール」と下2桁の文字が同じ、5文字の成分名です。

エタノールとメタノールだと、上1桁の1文字しか違っておりません。

 

しかし、これらの違いを誤って認識していると、最悪、健康被害や命に関わることも。

 

3つの違いを、正確に知っておきましょう!

 

エタノールとは

エタノール(ethanol)は、アルコールの一種。

 

揮発性の無色液体で、特有の芳香を持つ。

別名は、エチルアルコール(ethyl alcohol)。

酒を酒たらしめる化学成分であり、酒精(しゅせい)とも呼ばれる。

 

メタノールなど、他のアルコールが知られる以前から広く用いられてきた物質であり、エチルアルコールを指して、単に「アルコール」と呼ぶことも多い。

例えば、アルコール発酵で生じるアルコールはエタノールであり、アルコール飲料に含まれるアルコールもエタノールである。

変性アルコールは、飲用への転用を防ぐために、毒性の強いメタノールやイソプロパノールが添加されたエタノールである。

 

殺菌・消毒に用いられるほか、溶剤や燃料として用いられる。

 

【引用:Wikipedia「エタノール」より】

 

一般的にアルコールといえば、特に補足的な説明がない限りは、エタノールのことをさしています。

そのため、普段アルコール消毒とよく言う「アルコール」とは、「エタノール」のことを言っているのです。

 

特に補足的な説明がない場合

アルコール消毒≒エタノール消毒

と考えて良いとのことです。

 

アルコールとは

最初に「アルコール(Alcohol)」として認識された物質は、酒に含まれるエタノール(酒精)である。

この歴史的経緯により、エタノールもしくは酒を指して「アルコール」と言うことも多い。

 

【引用:Wikipedia「アルコール」より】

 

このことからも

アルコール≒エタノール

と考えて良いでしょう。

 

メタノールとは

メタノール(methanol)とは、有機溶媒などとして用いられるアルコールの一種である。

別名として、メチルアルコール(methyl alcohol)、木精(wood spirit)、カルビノール(carbinol)、メチールとも呼ばれる。

 

一連のアルコールの中で、最も単純な分子構造を持つ。

ホルマリンの原料、アルコールなどの燃料として広く使われる。

燃料電池の水素の供給源としても注目されている。

 

メタノールの危険性として、引火と引用毒性がある。

メタノール中毒は、取り扱い時の吸入、故意の摂取、誤飲などで起こる。

症状は意識レベルの低下、身体能力の貧弱化、嘔吐、腹痛、呼吸による特定の口臭。

早い場合は、曝露から12時間後に視覚障害になりえる。

長期的な症状には失明や腎不全があげられる。

少量の誤飲により、毒性及び死亡にいたる場合がある。

 

メタノール中毒による症状としては、目の網膜を損傷することによる失明がよく知られている。

第二次世界大戦後の混乱期には、エタノールにメタノールなどを加えた安価な変性アルコールを用いた密造酒によるメタノール中毒も、しばしば起きた。

失明者が多く出たことから、メタノールの別称である「メチール」を当てて「目散る」や、その危険性を象徴して『バクダン』と呼ばれた。

 

【引用:Wikipedia「メタノール」「メタノール毒性」より】

 

メタノールもアルコールの一種でありますが、エタノールとメタノールでは、全く違うものがあります。

 

エタノールは

・飲料用
・医薬
・食品添加物
・自動車燃料

として使われるのに対し

 

メタノールは

・合成原料
・化学反応の溶媒
・自動車燃料や燃料電池

として使われます。

 

エタノールは、飲用や消毒に使用することができるのですが、メタノールは毒性が強く、飲用や消毒に使用することはできないのです。

 

これを、間違えてはいけないのです!

 

消毒液として使えるのは、エタノールの方。

 

エタノールかメタノールか、わからなくなった場合には

メタノールは「メチル=目散る失明毒性あり」のため、消毒には使えない

と覚えておきましょう!

 

 

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消毒に効果があるエタノール濃度とは?

手指消毒 写真

 

医療機関などで使われる消毒用エタノールの濃度。

どのように定められているのでしょうか?

 

実は、消毒に効果があるエタノール濃度については、いろいろと定められているのです。

・医薬品の規格基準を示す日本薬局方では、76.9~81.4%
・WHO(World Healthcare Organization)ガイドラインでは、60~80%
・厚生労働省の新型コロナ対策で推奨する濃度は、70%
(ただし、製品需給の逼迫などを受けて「一定の有効性があると考えられる」として、60%台の使用も認めている)
・2020年4月17日、北里大学 大村智記念研究所 ウイルス感染制御学研究室Ⅰ の研究発表
濃度50%以上のエタノールに、接触時間1分間で十分な新型コロナウイルス不活性化が可能」

 

【引用:2020年6月12日付 北海道新聞、CHINOSHIO「その他成分について 【アルコール(エタノール)】の濃度による殺菌(除菌・消毒)効果について」より】

 

で、結局のところ、消毒に効果があるエタノール濃度は何%なの?

と誰もが思うところです。

 

実は「エタノール濃度だけでは、一概に何%と言えない」というのが、親切な回答であると言えます。

エタノール濃度は、消毒・除菌剤の効果や使い方を考える目安の一つであり、濃度とは別に「消毒○○」も考えた上で、エタノール濃度を考えた方が良いのです。

 

では、その「消毒○○」の○○って何なのでしょうか?

 

 

エタノール濃度以外にも重要なこと。それは、消毒○○!

1分タイマー 写真

 

エタノール濃度以外にも消毒に重要なこと。

その答えは、「消毒時間」です。

 

先ほど、北里大学の研究結果発表

濃度50%以上のエタノールに、接触時間1分間で十分な新型コロナウイルス不活性化が可能」

について触れましたが、これを簡単に言い直すと

50%以上のエタノールに1分以上さらすと、ウイルスを死滅させる効果が期待できる

ということになります。

 

そのため、実際の消毒時間が1分より短くなる場合は、より濃度が高いエタノールを使うようにする方が良いのです。

 

このことから

消毒時間1分以上の場合は、北里大学の研究発表より、エタノール濃度50%以上
消毒時間1分より短くなる場合は、厚生労働省の推奨濃度である、エタノール濃度70%

と考えて良いでしょう。

※上記はどちらも、新型コロナ対策で有効とされている濃度及び消毒時間となります。

 

 

エタノール濃度は、高いほど消毒効果はいいの?

エタノール消毒 写真

 

エタノール濃度は、高いほど消毒効果がいいのでしょうか?

代表されるエタノールで見てみましょう。

①無水エタノール:エタノール濃度99.5%以上
②エタノール:エタノール濃度95.1~96.9%
③消毒用エタノール:エタノール濃度76.9~81.4%

 

この中で一番消毒効果、殺菌力が強いのは

③消毒用エタノール:エタノール濃度76.9~81.4%

なんです。

これは、日本薬局方でも定められている濃度でしたね。

 

実はこのエタノール、最も消毒効果が優れているのは、80%前後のものとされているのです。

これ以上に高い濃度になると、消毒効果は低下してしまうのです。

そのため消毒には、消毒用エタノールが使用されるのです。

 

では、エタノール濃度が高い無水エタノールは何に使用されているかというと、精密機械などの清拭や清掃に使用されています。

しかし、エタノールや消毒用エタノールでも十分汚れは落ちるので、家庭用の清掃なら消毒用エタノール1本あれば、消毒、清掃のどちらも可能ということになります。

 

【参考、引用:E PARKくすりの窓口「【新型コロナ消毒】エタノールとアルコールは違うの?次亜塩素酸水の有効性に対する政府側の中間結果報告」健栄製薬「よくあるご質問 エタノール」より】

 

 

エタノール濃度は、どうやって調べる?

成分表示例 写真

【画像引用:2020年6月12日付 北海道新聞より】

 

実は、医薬品医療機器法などの対象か対象外かによって、製品表示の方法が違うため、注意が必要なのです。

医薬品や殺菌消毒剤などの指定医薬部外品の場合
⇒「有効成分の名称と分量」を表示するよう定められている
化粧品の場合
⇒「有効成分の名称」を表示するよう定められている
有効成分以外の「添加物」の表示の場合
⇒「名称のみ」で、分量や濃度はふくまれず、化粧品のように配合が多い順に全成分を記載するルールがない
医薬品医療機器法の対象外の除菌用品などの場合
⇒「雑貨品」として扱われ、濃度などは表示していないものが多い

 

このため

医薬品や指定医薬部外品であれば、エタノール濃度の表示はあるが、それ以外ではエタノール濃度の表示はないことの方が多い

といえます。

 

エタノール濃度を調べる時には

①製品のパッケージで「医薬品」「医薬部外品」との記載があるかどうか調べる。
②成分表示に「エタノール濃度」の記載があるかどうか調べる
④成分表示に「エタノール濃度」の記載がない場合、メーカーに直接問い合わせてみる

ということを行うと、エタノール濃度を調べることができます。

 

また、メーカーに直接問い合わせる場合

・問い合わせ先が明記されているか?

・きちんと対応してくれるメーカーか?

ということを基準に製品を選ぶと、間違いありません。

 

 

消毒液として効果がない商品には要注意!

それ、大丈夫? 写真

 

あなたが使っている消毒液は、消毒効果のある消毒液ですか?

 

ここまでご覧いただいたみなさんならば、もう大丈夫ですね!

成分表示欄などにエタノール濃度の記載がない市販品を、メーカーに問い合わせて調べた調査では

消毒除菌用ジェルで「70%」「64%」「約60%」「56%」など
除菌用ウエットティッシュで「約50%」「24%」など

ばらつきがあることがわかります。

【引用:2020年6月20日付 北海道新聞より】

 

良心的なメーカーでは、メーカーホームページや商品サイト等で、エタノール濃度を表示していることもありますので、ご参考にしてください。

 

また、エタノールは揮発性があり、使用期限が切れた消毒液などの製品は、消毒効果の有効性及び安全性に問題がありますので、使用しないようにしましょう。

もしも使用期限が切れたエタノールをお持ちの場合は、消毒用ではなく、清掃用として早めに使い切ることをおススメします。

 

これから消毒液を購入する場合は、エタノール濃度にも注意をして購入しましょう!

 

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