毎年11月を過ぎると、母親のお得意様へクリスマスプレゼントとして贈る、レザークラフトの製作依頼が入ります。
例年どおりであれば、八角形のレザーコースターなのですが…
「今年はティッシュケースがいいなぁ~♪」と母親。
どんな感じのティッシュケースがいいのかを聞き、型紙作りから始める今回のクリスマスプレゼント作品。
せっかくなので、オリジナルのレザークラフト製作工程を、使用道具とともにご紹介しちゃいます!
レザークラフトに興味のある方の参考になれば、幸いです。
型紙作り
「型紙作りは、レザークラフトの7~8割を占める」
というレザークラフターもいるほど、型紙作りは重要です。
家づくりであれば設計図。
設計図がしっかりしていないと、できあがりがヒドイことになっちゃいますもんね。
設計図作りの段階で手抜きしていると、欠陥住宅になってしまいます。
まぁ、建築工事過程でも手抜きはダメですけどね。
私は、型紙作りに時間がかかるタイプです。
頭の中で完成形をイメージして、そこからパーツの展開図を作っていくわけなので。
一番、頭を使う作業とも言えます。
今回は、ティッシュケースということで、ティッシュの大きさをまず測ります。
一般的なティッシュは、縦 約8cm × 横 約12cmです。
そこから縫い代や、ティッシュの出し入れをしやすいように余白部分に余裕をもたせて型紙を作ります。
私の場合は、縫い代5mmを基本としているため、実際の型紙は 縦9.5cm × 横14cmと余裕をもたせています。
縦9.5cm × 横14cmの長方形型紙2枚あれば、これだけでティッシュケースは作ることができます。
ただ、それだけではデザイン的に面白味がないため、コンチョをアクセントにつけるための型紙もつけちゃいました。
これでオリジナル感は、ググっと増します。
ちなみに型紙作りには、DAISOで売っている工作用紙を私は愛用しています。
メモリ付きの工作用紙なので、型紙作りも比較的楽ちん。
厚さも0.40mmで、厚すぎず薄すぎずっていう感じ。
私的には、オススメです!
パーツ切り出し
型紙ができたら、革に型紙の形を丸ギリなどで罫書いて、革包丁などでカットします。
私は専用道具持ちのため、丸ギリと革包丁を使っています。
100均の「目打ち」「カッター」「カッターマット」でも代用できるので、無理して丸ギリや革包丁を買う必要はありません。
ただ、カッターで厚い革をカットする場合、1回で切ろうとはせずに、何回か切れ目を入れながら切ることで、厚い革も切り出すことができます。
この時に、カッターの刃を革に対して垂直を保って切れ目を入れなければ、カット断面がデコボコになってしまうため注意が必要です。
パーツ切り出し後は、床面やコバを先に仕上げておいた方が良い部分だけ、CMCなどの薬剤を使い磨いております。
床面、コバ磨きについては、こちらをあわせてご覧ください。
ジャンパードット(ホック)用穴あけ&取付
コンチョをティッシュケースのアクセントとして。
また、ティッシュがケースから飛び出ないよう押さえパーツとしての役割があるパーツ作りのために、ジャンパードットを打つための穴あけ&取付を行います。
この工程には、レザークラフトの専用道具が必要になってしまいます。
専用道具と代用できる道具、資材をご紹介します。
上記の道具は、ジャンパードットを打つ際の専用道具となります。
上記の道具は、100均の金づちやゴム槌、10号穴あけポンチで代用できます。
資材のジャンパードットやコンチョのカラー、デザインなどはお好みでどうぞ~♪
パーツ手縫い
手縫いする前の革パーツの接着については、後ほど説明します。
ここでは、手縫いに使用する専用道具、代用できる道具、資材についてご紹介します。
※ 手縫いする前に、あらかじめニールフットオイルによるオイル入れを行っておりましたので、資材に追加しています。
菱目打ちや菱ギリは、手縫いする場合の縫い穴をあけるために必須です。
菱目間隔(ピッチ)は、作品の大きさや縫う長さで調整するため、異なるものを持っていた方が便利です。
私は2.0mmと2.5mmの2種類所有しています。
レザークラフト専用の丸針。
これは専用道具であり、消耗品でもあります。
一般的な糸止め方法で手縫いする場合、丸針は2本必須となります。
私の自己流手縫い方法であれば、糸止めを仮止め状態で行うため、丸針が1本しかないピンチの時でも使えるやり方。
① 針に1本目の糸を通す → 縫う → 針を糸から外す
② 針に2本目の糸を通す → 縫う → 針を糸から外す
これを繰り返す手間はあるものの、丸針一本あれば手縫い可能です。
TAIGA流「簡単糸止め」と「手縫いのやり方」は、こちらをご覧ください。
● 糸切ばさみ
● ライター
● 針刺し
上記3点は、私もDAISO製のものを使っています。
100均に売っているもので十分です。
手縫い用糸は、シニュー糸を使うことが多いです。
私の場合ですけど。
シニュー糸以外は、ビニモのロウ付け糸を好んで使います。
また、オイル入れはレザークラフターによって、どの工程時点でやるか変わります。
私も結構、適当です(笑)
普通はトップコートを塗った後、仕上げとしてニールフットオイルを上から重ねて塗ることで、革を柔らかくする効果もあります。
今回のものは、トップコートを塗らない仕様で作っております。
なお、ニールフットオイルを塗る場合、ウールピースなどのオイルを塗りつけるものをセットで使います。
ウールピース以外でも、タオル生地のものもあります。
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ウールピースでもオイルスポンジクロスでも、お好みのもので大丈夫です。
接着
接着する場合、ゴムのりをつける部分をヤスリなどで荒したり、圧着させるためにローラーや、写真のようにダブルクリップで固定しておく必要があります。
なお、上記のようにダブルクリップで固定する場合、注意ポイントがあります。
これ、非常に大事です!
ダブルクリップは思った以上にはさむ力が強く、革にダブルクリップの跡をつけてしまいます。
また、革が濡れている状態で直接ダブルクリップではさんでしまうと、鉄と革が化学反応を起こすのか、なぜかダブルクリップの黒い色が革に移ってしまいます。
このことを知らず、作品をダメにしてしまったことが何回かあります。
ダブルクリップで固定する場合は、革とダブルクリップの間に端切れの革をはさみ込むのがオススメです。
こうすることで、圧力を分散し、ダブルクリップの色移りも防ぐことができます。
接着で使用する専用道具、代用できる道具、資材については以下のとおりです。
圧着にローラーを使う場合、チカラの入れ方によっては、ローラーの縁部分の跡が革についてしまう場合があるので注意。
口金押えは、口金用工具ではあるものの圧着でも使えるため、あれば非常に便利です。
NTドレッサーは、接着面を荒らすのに使いますが、カッターの刃の背を使い、革を引っ掻くように荒らしても大丈夫です。
ジコラヘラは、100均のプラスチックベラでも代用可能ですが、そんなに高いものではないので、ジコラヘラ1本はメーカーものの方がオススメです。
ボンドは、木工用ボンドの水性系接着剤と、ゴムのりの合成ゴム系接着剤があります。
クラフト社のスーパークラフトボンドは、合成ゴム系接着剤です。
水性系接着剤は乾く前に貼り合わせ、合成ゴム系接着剤は完全に乾いてから貼り合わせるという特徴があります。
水性系接着剤は乾ききると透明になるため、見栄えが良くなりますが、完全に接着するまでは動かさずに、固定しておく必要があります。
合成ゴム系接着剤の方が粘着力が強く、扱いやすいイメージがあります。
接着剤として使うボンドについても、お好みでどうぞ~♪
完成
一つ目のティッシュケース完成〜♪#レザークラフト #ティッシュケース#オリジナル#IKKーKumi pic.twitter.com/8lScPnAf3S
— 龍造寺大雅@40代でのブログ挑戦!まだまだ4桁ブロガー (@TAIGA_RYUZOUJI) November 15, 2020
3人分作る予定で、一つ目は染色なしのもの。
2つ目は、青色に染色。
3つ目は、黒色に染色していくこととなります。
レザークラフトは、オリジナルで色々なものを作りあげることができます。
モノ作りの楽しさは、レザークラフトと共に。
作っただけでは終わらない、使い続けることによる経年変化が楽しめるのも、レザークラフトの醍醐味です。
魅力あふれるレザークラフトを、ぜひ始めてみてください!
楽しいですよ~♪
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