新型コロナ禍で増えている病気の一つに、「ド・ケルバン病」があげられます。
聞いたことがない人も多いかと思います。
私も、そのうちの一人だったので(笑)
それでは「腱鞘炎」ならどうでしょうか?
「あぁー、聞いたことある」
「腱鞘炎なら、なったことある」
という人が多いことでしょう。
実は、この「ド・ケルバン病」。
狭窄性腱鞘炎とも呼ばれ、腱鞘炎の一種なのです!
ド・ケルバン病とは
Wikipediaで「ド・ケルバン病」を調べてみると
腱鞘炎の一種。
長母指外転勤腱と短母子伸筋腱が、橈骨茎状突起部と伸筋支帯に絞扼されて発生する。
50歳代と20歳代の女性に多く見られる。
1895年にスイスの外科医である、フリッツ・ド・ケルバン(Fritz de Quervain) によって報告されたことから、この名がついた。
と記載があります。
うーん、わからん…
腱鞘炎の一種で、1985年にスイスの外科医フリッツ・ド・ケルバンが報告した古くからある病気なのはわかったのですが、専門用語が多くて、いまいちどのような病気なのかがわからないですよね。
もっとわかりやすい説明はないものか、調べてみました。
ド・ケルバン病とは、母子(医学用語で、親指のことをいう)と手首(手関節)を繋いでいる2本の腱
①短母子伸筋腱(主に母子(親指)の第2関節を伸ばす働きをする腱のうちの一つ)②長母指外転勤腱(主に母子(親指)を広げる働きをする腱のうちの一つ)や、その2本の腱を覆うトンネルのような
③腱鞘(けんしょう)が炎症を起こしている状態のこと。
【引用:公益社団法人 日本整形外科学会「ド・ケルバン病(狭窄性腱鞘炎)」、いしがみ整形外科クリニック「ド・ケルバン病」より】
図解で説明されていると、わかりやすいですね!
簡単に言うと、手首に起こる腱鞘炎のことをド・ケルバン病といいます。
そもそも腱鞘炎とは、どのような症状が出るのでしょうか?
とてもわかりやすい説明がネット上にありましたので、ご紹介します。
症状としては、指や手首を動かすと、痛みや熱感を伴うのです。
指や手首を使う職業の人にとっては、避けて通れない辛い病気であることがわかりますね。
ド・ケルバン病は、なぜ起こる?
母子と手首を繋いでいる2本の腱は、みなさんも確認することができます。
写真のように手の甲を見ながら、じゃんけんでいう「パーの手」を作ってみてください。
親指と手首を繋ぐ、2本の手首の腱が現れましたね。
この現れた2本の手首の腱や、これらをトンネルのように覆う「腱鞘」が炎症を起こしている状態をド・ケルバン病というのですが、ではなぜ起こるのでしょうか?
指(特に親指)や手首の使い過ぎが、ド・ケルバン病の主な原因
ド・ケルバン病は「職業病」とも呼ばれ、長時間にわたって手の細かい動きが必要だったり、手首を酷使するような職業の人たちが罹りやすいといわれています。
主な職業としては
・美容師、理容師
・ピアニスト
・調理師
・テニスプレーヤー
・ゴルファー
などがあげられます。
近年、ITの進化により、家庭にパソコンやスマートフォン(以下、スマホ)が普及したことで、ド・ケルバン病は増えたとも言われています。
パソコン作業では、手首はあまり動かすイメージはないですよね。
しかし、キーボードやマウスに手をのせるとき、手首には負担がかかっているのです。
それは、のせたとき、手首は常に少し反った状態になっていること。
この状態が日々、何時間も続けていくと、手首の腱には大きな負担が蓄積されてしまいます。
実は、キーボードのタイピングでは、親指を使う機会が以外と多いため、これらのことが最終的にド・ケルバン病や、ひじ痛を引き起こすのです。
また、近年「スマホ腱鞘炎」と呼ばれるド・ケルバン病の別名も、見聞きする機会が多くなりました。
ここで、問題です。
下記、2枚の写真のうち、ド・ケルバン病のリスクが高い、スマホの使い方はどちらでしょうか?
①片手でのスマホ操作
②両手でのスマホ操作
正解は①の「片手でのスマホ操作」です。
簡単でしたね。
しかし、②の「両手でのスマホ操作」でも、持ち方と操作に使う指によっては、ド・ケルバン病のリスクが「片手でのスマホ操作」と同じになることがあります。
続いての問題です。
下記、2枚の写真のうち、ド・ケルバン病のリスクが高い、両手でのスマホの使い方はどちらでしょうか?
①スマホを両手で包み込むように持ち、親指でタッチやフリックをする
②スマホは片手で持ち、もう片方の手の人差し指でタッチやフリックをする
ド・ケルバン病の記事をここまで読んでいただいた方なら、もうおわかりですね!
①の「スマホを両手で包み込むように持ち、親指でタッチやフリックをする」が正解です。
ド・ケルバン病は、親指や手首の使い過ぎが原因で起こります。
そのため、両手でスマホを包み込むように持ち、親指でタッチやフリックをするのは、ただ両手で持っているだけであり、操作自体は「片手でのスマホ操作」と同じことになってしまうのです。
ド・ケルバン病予防のための、正しい両手でのスマホ操作とは
が望ましいのです。
50歳代と20歳代に多い原因が、女性ホルモンの変動
親指や手首の使い過ぎ以外の原因として知られるのが
というもの。
Wikipediaにも、50歳代と20歳代の女性に多く見られるとの記載があるとおり
によるものが、ド・ケルバン病と関係があります。
女性の20歳代だと、妊娠や出産が統計的にみても多いですよね。
この時期はド・ケルバン病になりやすく、その理由として、妊娠の維持に必要なホルモン「プロゲステロン」が通常期よりも多く分泌されることによります。
プロゲステロンには、2本の手首の腱をトンネルのように覆う「腱鞘」を収縮させるという作用があり、腱の滑りを悪くする原因の一つに考えられています。
また、女性の50歳代だと、統計的に更年期の時期になる方が多く、閉経となる方も多い時期です。
更年期の時期には、卵胞ホルモンとも呼ばれる「エストロゲン」が閉経に伴い減少します。
エストロゲンには、女性らしい体つきを作る、髪や肌の潤いを保つ働きだけではなく、腱や関節を柔軟に保つという作用があります。
エストロゲンの減少が、腱や腱鞘が炎症を起こす原因となるのです。
【参考、引用:いしがみ整形外科クリニック「ドケルバン病」、公益社団法人 日本整形外科学会「ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)」、OMRON「vol.60「腱鞘炎(けんしょうえん)」…パソコン作業で悪化させないために」】
新型コロナ禍で増えるド・ケルバン病の原因を考察
新型コロナ禍で、ド・ケルバン病は増えているといいます。
まず、ド・ケルバン病は、簡単に言うと手首の腱鞘炎でした。
これは、親指や手首を使いすぎると起こる病気でしたね。
ド・ケルバン病は、現代病なのか?
このことについて、自称、考察系ブロガーのTAIGAが久々の登場!
独断と偏見での考察をしていきたいと思います(笑)
ステイホームによる生活様式及び働き方の変化説
最も有力な考察は、新型コロナ禍でステイホーム(外出自粛)による環境の変化によるものです。
もう正解といっても、良いのではないでしょうか?(笑)
新型コロナ禍では、ステイホームが暗黙の了解のように認知されてきました。
予防医療的には、効果的なステイホーム。
しかし経済的には、大打撃を現在進行形で受けているのです。
中小企業や飲食・観光サービス業などでは倒産が相次ぎ、離職者が増加の一途をたどっております。
再就職しようにも、飲食・観光サービス業への転職は厳しいものがあり、転職先の業種が限られてしまったり、企業が雇用を見合わせる事態も発生しています。
そんな中、一念発起して自営業やフリーランスとして活動をする人が急増したのです。
私も昔は、介護福祉士として会社に雇われて仕事をしておりましたが、今現在はフリーランスとして活動しております。
フリーランスとして活動する場合、パソコンやスマホを活用することが、今現在必須事項となります。
フリーランスで仕事をする場合、一日中パソコンやスマホに向かっていることが多くなります。
私事ですが、例えば、このブログ記事を1件作成して投稿するのに、6~8時間ほどの時間がかかっているのです。
と思われる方もいらっしゃることでしょう。
「パソコン作業が遅いからじゃないの?」
と思われる方が多いことと思います。
ちなみに、私のパソコンスキルでいうと
・事務職種経験として、通算22年の経験
・Microsoft Office Specialist 2003 Master 資格取得
・パソコン教室での、アルバイトインストラクターの経験(半年間)
・HP作成経験(5年間)
・楽天市場でのショップ出店経験(1年間)
・キーボードのブラインドタッチや、テンキーのブラインド入力が可能
などがあり、自慢するほどのものでは全然ないのですが、写真や動画の編集なども含めて、それとなくできている感じです。
特に、タイピングが遅いわけでもありません。
ではなぜ、これだけ時間がかかるのかというと
・ブログの記事題材のリサーチ・・・1時間くらい
・ブログの記事作成(写真の編集やSNS広告等含めて)・・・5時間~7時間くらい
という内訳です。
ブログは、投稿した記事の文字数によっても、かかる時間は変わってきます。
そのため一概には言えないのですが、私の場合だとリサーチを含めて
だと思われます。
これだけの長い時間、パソコンやスマホに向かって絶えず手を動かしているので、ド・ケルバン病が増えるのも、私はうなづけるのです。
また、働き方だけではなく、生活様式もガラッと変わりましたね。
パソコンやスマホの使用率が、軒並み上がっています。
これは仕事だけではなく、余暇としての使用も増えているのです。
オンライン飲み会や遠距離の家族との会話などで使われるのはもちろん、暇つぶしのためのゲーム目的の使用が顕著に表れております。
ゲームには、いろいろなジャンルがあるので一概には言えないのですが、タイムを競ったり、連続でタップやフリックをするゲームの場合、スマホ腱鞘炎=ド・ケルバン病に罹る率が高くなります。
また、メールやSNSなどの文字入力を、片手親指フリックで早く打てる人の場合も、罹る率は通常の人よりも高くなってしまいます。
IT技術の進化による説
これは、どちらかというと「新型コロナ禍だから」というものではなく、「IT技術の進化がド・ケルバン病の増加に関連している」という考察です。
近年のIT技術の進化は、目を見張るものがあります。
一番わかりやすいものに、ゲームがあります。
1980年代のファミコン時代はドットが荒かったのに対し、今現在のパソコンゲームやPS4などの据え置き型ゲームでは、実写や映画を見ているような感覚に思えるまで、映像技術が進化しております。
また、オンライン上で遠く離れた友達や外国の人とも遊べるというIT技術のおかげで、新型コロナ禍でもリモート出演することができるようになっています。
昔はゲームをすると親に怒られていたのが、今ではゲームをしてても怒られないばかりか、そのゲームをしている様子をYouTubeなどの動画配信サイトへ投稿して、広告収入を得るという人たちもいます。
ゲームの地位向上も一役買っており、E-Sportsなども盛んになってきました。
ゲーム人口も昔と比べ、増えているのです。
今では、仕事も遊びもIT技術の進化によって、自宅にいながら完結することが可能となったのです。
では、なぜゲーム人口が増えると、ド・ケルバン病が増えるのでしょうか?
それは、ゲームをするのに、長時間キーボードやマウス、コントローラーやスマホを使用するからです。
ド・ケルバン病は長い間、親指や手首を使いすぎることで発症します。
ゲームは夢中になると、あっという間に時間が過ぎていることありませんか?
そして、手が疲れてしまった経験はありませんか?
これが長期間続いてしまうと、ド・ケルバン病につながってしまうのです。
ド・ケルバン病は現代病なのか?
現代病をWikipediaで調べてみたところ
現代病(Modern diseases)とは、都市化、産業化など、過去にはなかった現代の生活習慣や環境などに起因する種々な病気を指して用いられる言葉である。
研究者により定義は異なるが、糖尿病なメタボリックシンドロームに代表される生活習慣病とアレルギー疾患に代表される生活環境病の総称とする概念、あるいはストレスに起因する疾病を含む概念を提唱する研究者もいる。
1970年代頃から主にジャーナリズムによって広められ社会的通称となった語であり、「現代病」という名称の病気が存在しているわけではない。
また、現代病と呼ばれる病気も時代及び研究者により異なる。
とされています。
このことから考えると、ド・ケルバン病は
・1985年に、スイスの外科医フリッツ・ド・ケルバンが報告した古くからある病気
・指や手首を使いすぎる職業や、スポーツ選手などが罹る「職業病」として、認知されていた
ことから、現代病とはいえないと考えます。
しかし、新型コロナ禍の現代に増えている、病気の一つであることは、間違いありません。
自分は、ド・ケルバン病なのか?簡単セルフチェックで参考に
ド・ケルバン病かどうかを、簡単にチェックする方法があります。
みなさんも、チェックしてみてください。
①フィンケルシュタインテスト
・手を出して、親指を内側に倒す
・反対の手で、親指を掴み、小指の方へ引っ張る
※引っ張って痛みが増すようならば、「ドケルバン病」の可能性がある
②フィンケルシュタインテスト変法
※上記のフィンケルシュタインテスト片手版
・親指を内側に入れて、握りこぶし(グー)をつくる
・その形のまま、小指側に倒す
※倒して痛みが増すようならば、「ドケルバン病」の可能性がある
③岩原・野末のサイン
・手首を手のひら側に、できる限り折り曲げる
・折り曲げた状態で、親指と人差し指の間をできるだけ開く
※開いて痛みが増すようならば、「ドケルバン病」の可能性がある
症状が気になる方は、まず整形外科受診を!
親指や手首の痛みや熱感の症状が気になったり、ド・ケルバン病の簡単セルフチェックに思い当たるふしのある方は、まず整形外科受診をおススメします!
なぜなら、治療が遅くなると、その分治りが遅くなったり、重症化すると腱鞘の炎症により力が入らなくなったり、再発を繰り返すことにより手術が必要になることがあるからです。
病気の診断は、医師がするもの。
これは医師法にも定められています。
なまじっか知識があるからと、自分勝手な判断が治りを遅くしたり、重症化の原因に。
症状が気になる方は、早めの受診を。
医師に診てもらって何ともなければ、それだけで安心じゃないですか!
また病気であったとしても、早期発見の方が治りは早いものです。
ド・ケルバン病予防のために、できることは?
指や手首を使いすぎることによって、ド・ケルバン病は発症します。
そのため、なるべく指や手首を使いすぎないようにすることが大事です。
それでは、具体的にどうすれば良いかというと
・手首を裏返す動作(本をめくる、鍋蓋のつまみ側を下にして置くなど)をできるだけ避ける
・指や手首をマッサージする
・大豆イソフラボンを、日々の食事でバランスよく摂取する
です。
なるべく、指や手首を使い過ぎないことが予防には大事なのですが、通常生活する上で、指や手首は知らず知らずのうちに使っているものです。
のは、もちろんのこと、手首を裏返す動作も、結構手首に負担をかけているため
ように気にかけるだけで、予防になります。
また、指や手首のマッサージも効果的です。
日々、知らず知らずのうちに酷使している指や手首をマッサージしてあげましょう。
親指の付け根部分を反対の手のひらで軽くマッサージを1回あたり30秒前後、1日3回を目安に行うのが良いでしょう。
最後は、身体の中からの予防です。
豆腐・納豆・煮豆・みそなどの大豆製品には「大豆イソフラボン」が含まれています。
なんとこの、大豆イソフラボン。
更年期の時期に起こる閉経により減少する、ド・ケルバン病の発症を予防する「エストロゲン」と似た作用を持っているのです!
大豆イソフラボンは「植物性エストロゲン」とも呼ばれていて、更年期前後に積極的に大豆製品を摂取することは元より、日々の食事でバランスよく大豆製品を摂取することで、身体の中からド・ケルバン病を予防することになるのです。
【参考、引用:いしがみ整形外科クリニック「ドケルバン病」より】
現代において増加しているド・ケルバン病。
以前は、職業病として知られておりましたが、IT技術の進化によって、身近な病気となってきました。
そんな中、新型コロナ禍の影響もあり、IT技術を使う人たちが飛躍的に伸びたことにより増えていたのですね。
何事も使い過ぎはダメ。
時には休ませて安静にしたり、マッサージをしたりと指や手首を労わることが大事。
身体の中から予防するのに、大豆製品をバランスよく取ることもお忘れなく!
価格:3,996円 |
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