イソジンうがいについて疑問のある人
「昨日、大阪府知事から新型コロナウイルス対策として「イソジンうがい」が推奨されたけど、本当に効果はあるの?」 「イソジンうがいのニュースを見て、ドラッグストアにイソジン買いに行ったけど、すでに在庫3つしかなくなってた…イソジンも不足してしまうのでは?」 |
新型コロナ禍では、政府や各都道府県知事の対応が連日のようにニュース報道されています。
未知なるウイルスに抗う。
そのためのヒントとなる情報の拡散は、とても大事なことであると私は思います。
ひと際目立つのが大阪府知事。
若い知事ですが、行動力と発言力がズバ抜けております。
新型コロナと戦う姿勢は、並々ならぬ意思を感じます。
そんな知事の体調を気遣う声も出るくらい、仕事を真摯に取り組まれている感じを受けます。
私も好印象を持てる知事の一人が、大阪府知事であります。
そんな大阪府知事から、昨日の会見において
に関することについて、発表がありました。
会見の内容によると
イソジンなど殺菌効果のある「ポビドンヨード」を含むうがい薬を使用し、うがいをすると、唾液の中の新型コロナウイルスが減少し、ある程度、他人にうつしにくくなる可能性があり、本格的な研究を進めると明らかにした。
というもの。
大阪府と「はびきの医療センター」が、府内の新型コロナウイルス宿泊療養所で軽症者41人に対し、殺菌効果のある「ポビドンヨード」を含む、うがい薬でうがいを1日4回した結果によると
・うがいをした患者は、唾液のPCR検査の陽性率が9%
・うがいをしなかった患者は、陽性率が40%
だったといいます。
これ、大事ですね。
誤解があると問題になりますからね。
その上で、大阪府知事は
と大阪府知事、個人としての意見を述べています。
これも大事ですね。
くどいようですが、誤解があると問題になりますから。
大阪府では
・軽症の段階で中等症や重症化することを防ぐため
・市中感染を抑えるため
に20日まで府民に対し、集中的にうがいの励行を呼び掛けた
という会見内容なのです。
これを見た視聴者は、どう捉えたのか?
私の感想では、うがい薬での効果検証が研究段階のため、効果があるかどうか調査するために
のではないか、という捉え方です。
しかし、人によっては捉え方が全く違うようで…
昨日、現実にあったTAIGA家での話。
大阪府知事会見のニュースを見た両親。
母親は「イソジンが新型コロナ予防に効果的」という認識になっており、父親にイソジンを買いに行ってもらったところ、1店舗目ではイソジンがなくなっており、2店舗目に行ったドラッグストアでは在庫が3つしかなかったとのこと。
父親はイソジン1つだけ購入して帰ってきて、母親にその旨話したら、母親から「3本とも購入してくれば良かったのに」と言われたというオチの話。
北海道にある市街地近郊にある小さな街の話ですら、この影響力なのです。
多分、イソジン売り切れ店は続出していることでしょう。
大阪府知事は大阪府民に対し、20日まで集中的にうがいを励行しただけなのに…
ニュース報道一つとっても、人それぞれの捉え方の違いはあります。
こと新型コロナ禍の話題では、こうも集団心理を煽ることになるとは、大阪府知事ですら予期せぬことだったことでしょう。
私の感想では、20日までと期間を限定的にした理由は、うがい薬の効果検証を大阪府知事はしたいのだと思うのですが…
イソジンうがいが新型コロナウイルス対策の救世主となるのか?
大阪府知事の会見から一夜明けた本日。
医師の目から解説された真実とは?
今回は、大阪府知事会見から端を発した
に関する、医師目線による解説のご紹介です。
殺菌効果のある「ポビドンヨード」が争点に
イソジンうがい薬。
うがい薬としてメジャーですよね。
上記写真は、私が持っているイソジンうがい薬。
成分・分量表示を見てみると
と表示されています。
効能・効果の表示では
とあります。
実は私、イソジンうがい薬を購入した最初の理由は「うがいのため」ではなく、「マリンブーツの消毒のため」だったのです。
20代の頃、マリンスポーツを趣味としていた私。
スキムボードやサーフボードを持って、よく海に行っていました。
砂浜を裸足で歩くとリスクがあるため、よく使っていたのが「マリンブーツ」。
その消毒に「イソジンうがい薬」を使っているというマリンスポーツを趣味にしている人のサイトで紹介があったため、購入したのが始まり。
そのため、イソジンうがい薬には殺菌効果があることは、十数年前から知ってはいました。
しかし今では、イソジンうがい薬はあるものの、うがいをするときは水だけで行うことが日常です。
今回、イソジンうがい薬の「ポピドンヨード」という成分が、新型コロナウイルスにどう効果的なのかが争点になっています。
大阪府知事の会見から一夜明けた本日、ヤフーニュースで医師目線での解説が新着記事でUPされています。
【以下引用:Yahoo!JAPANニュース「『ポビドンヨードによるうがいは新型コロナを改善させる』は本当か?医師が解説」より】
・ポビドンヨード(商品名イソジン)によるうがいで新型コロナウイルスの量が減る
・重症化を防ぐ
という趣旨の大阪府知事からの発表について、医師の目から解説してくれています。
ポビドンヨードによるうがいが「風邪予防に有効ではない」という、医療者のなかでとても有名な研究結果
と思われるかもしれません。
でも、研究結果は研究結果なんです。
真実なんです。
というテーマの研究。
健康な大人387人が参加し
①水のみでうがいをするグループ
②ポビドンヨードでうがいをするグループ
③特にうがいをしないグループ(対照群として)
にランダムに別れます。
その後60日間でどれくらい風邪をひくリスクが変わるかというテーマで研究が行われました。
その結果
・水のみでうがいをしたグループは、うがいをしないグループよりも風邪にかかる確率が下がった
・ポビドンヨードでうがいをするグループでは、効果が認められなかった
ということに。
【引用:American journal of preventive medicine 2005; 29:302-7.より】
この研究結果では
ということが実証されたのです。
原因は、ポビドンヨードの強力な殺菌性
ポビドンヨードには、細菌やウイルスを強く叩く効果は確かにあるとのこと。
そのため、マリンブーツの消毒に使っていた数十年前の私は、ある意味、当たっていたのでしょう。
しかし、うがいの研究結果では「水のみのうがい」の方が有効だったという矛盾。
この原因は、何にあるのでしょうか?
原因は
にあるとの見解です。
ポビドンヨードうがいは、のどや口の中に元々いる『正常な細菌』をも叩いてしまい、さらには粘膜なども痛めてしまう。
悪玉細菌のみならず、善玉細菌まで叩いてしまう強力な殺菌性。
このことが、ポビドンヨードによるうがいが「総合的には効果が相殺されてしまう」ことにつながり、うがい効果が認められなかった原因なのです。
また、医師の解説によると、一般的にはポビドンヨードのうがい薬の安全性は高いと考えられるが
されているといいます。
そのため、長期に使い続ける場合には定期的な検査が推奨されます。
【引用:Sato K, et al. Internal Medicine 2007; 46:391-5.より】
第3類医薬品にも指定されている「イソジンうがい薬」。
医薬品ですから、副作用は可能性として当たり前ですよね。
毒を以て毒を制すが、薬の根本ですから。
大阪府知事も「20日まで集中的に」としているのは、こういった理由があるのかもしれませんね。
うがいでPCR検査が陰性化することと、新型コロナによる悪化を防ぐかは違う
大阪府知事の会見内容を、今一度、見てみましょう。
イソジンなど殺菌効果のある「ポビドンヨード」を含むうがい薬を使用し、うがいをすると唾液の中の新型コロナウイルスが減少。殺菌効果のある「ポビドンヨード」を含むうがい薬でうがいを1日4回、府内の新型コロナウイルス宿泊療養所で軽症者41人に対し行ったところ、唾液のPCR検査の陽性率が9%(うがいをしなかった患者では、陽性率が40%)になった。
医師の解説によると、現時点でわかることは
といういこと。
今回の大阪府知事の会見報道は、ポビドンヨードうがいによる唾液の中の新型コロナウイルスが減少しても、その後の新型コロナウイルスによる悪化が防がれるという研究結果ではないことを指摘しており
という結果の発表です。
ニュース報道の捉え方は人それぞれですが、大阪府知事が間違ったことを言っているわけではありません。
あくまでも、ポビドンヨードうがいをしたことによって「PCR検査の陽性率が下がったよ」という発表なんです。
これは、新型コロナ対策としては「ヒントの一つになり得る結果」です。
ただ、あくまでも「ヒントの一つ」です。
だから、大阪府では「20日まで集中的にうがいを励行」したんだと思います。
実際に、効果検証を始めたばかりなのです。
医師によると、新型コロナウイルスに関して『予防的・定期的なポビドンヨードの仕様が有効かどうか』についての研究が、現在2本進行しているようとのことで、これらの結果をみてからでも遅くはないように思うとの見解です。
【研究①:https://www.clinicaltrialsregister.eu/ctr-search/trial/2020-001721-31/GB】
【研究②:https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04364802】
ポビドンヨードがもつ強力な殺菌性によるうがいで、唾液の中の新型コロナウイルスは減っても
っていうことですね。
インフルエンザによる検査は、のどで検査をすると偽陰性(ほんとうは陽性だけれども、検査では陰性と誤った結果が出てしまう)になりやすいため、普通は鼻から検体をとっています。
根本的な解決には、まだ至っていないということなのでしょうね。
だからこそ、今後の研究結果や効果検証が待たれるわけです。
短時間的に人に感染させるリスクを減らすのに「イソジンうがい」はいいかもしれない
医師によると、ポビドンヨードによるうがいの効果が期待できるのは
としています。
ぶっちゃけ「イソジンうがい」は、咳エチケットで知られる「マスク着用」みたいな立ち位置でしょうね。
他人に感染させるリスクを減らすためのエチケットとして。
これが現時点で言える「イソジンうがい」の真実なのでしょう。
大阪府知事の発表が波紋を呼んだ「イソジンうがい」。
これは未知なるウイルス対策としての、一つのヒントを発表したに過ぎません。
大阪府知事の発表により、大阪府知事の発言は嘘だとかデマだと騒ぎ立てる人も中にはいるでしょうが、大阪府知事を誹謗中傷するのは、誹謗中傷する人、本人の理解力の欠如です。
きちんとニュースを冷静にみましょうよ。
情報が飽和状態にある現代。
正確な情報は何なのかの取捨選択が、我々視聴者には求められています。
大阪府知事の発表は、新型コロナ対策に一石を投じたと私は思います。
新型コロナ対策では、全世界が対応に追われています。
つい先日のニュースでは「新型コロナの特攻薬は、ないのではないか」という報道もありました。
いろいろと情報が錯そうしている中での、大阪府知事の発言。
発言したことによって、その効果について色々と見識のある専門家が意見したり、研究が始められたり。
「20日まで集中的にうがいの励行」は、効果検証を意図しているものでしょう。
そういった取り組みや情報開示が、後手後手になっている現政府。
中央から中々情報が降りてこず、地方発信が多い状況。
それだけ混乱している世の中なのだと実感しております。
口腔内を清潔に保つことが重要
意見は言うものの、代替え案を出さない。
なんか、聞いたことのあるフレーズですよね。
大阪府知事の発言に対し医師目線で解説した医師は、意見を述べた上で口腔ケアの重要性を説いています。
新型コロナウイルスに限らず、歯磨きなどで口腔内の清潔を保つと、肺炎などのリスクが下がることがわかっているといいます。
【引用:Br Dent J 2017; 222:527-33.】
ということなのですね。
【引用:Yahoo!JAPANニュース「『ポビドンヨードによるうがいは新型コロナを改善させる』は本当か?医師が解説」より】
ポビドンヨードがうがいに必須なのかどうかは、今後の研究結果や効果検証結果がないとわからないのが現状。
「水うがいだけでも、歯磨きをして口腔内を常に清潔にしておくことが予防法の一つ」
ということなのでしょうね。
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