革の可塑性(かそせい)って何?革が持つ面白い性質から作る作品

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経年変化と革製品と

革製品の中には

コレって、どうやって作ったんだろう?

と、はてなマークが3つはつくだろう製品があります。

 

例えば、革製のスマホケース。

しかも、スマホの角丸長方形の形状にスッポリ収まる、ぴったりフィットしたもの。

1枚革でつなぎ目とか、手縫いしたところは全くなく、ホントにスマホの形状に革がなっている。

 

また、革靴好きなら1足は欲しいレッドウィングシューズ。

つま先部分の綺麗なアーチ。

半円状のフォルムが美しい。

レッドウィングシューズに関わらず、革靴のつま先の形状って、どう作っているんでしょうね?

 

今回は革が持つ面白い性質

可塑性

について見ていきます。

 

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革が持つ面白い性質「可塑性」とは?

物体に応力を与えたときに生じた変形が、応力を取り除いても戻らない性質のことを「可塑性(かそせい)」といいます。

【JLIA皮革用語辞典より引用】

 

この可塑性は、クロム鞣し革よりも植物タンニン鞣し革の方が効果が高く、革に熱や水分を与えることによりその可塑性は大となるので、製靴工程や、カメラケース、革工芸の製作などに応用されています。

 

ここで、思い出してみてください。

レザークラフトにおける、刻印の打ち込み(スタンピング)やカービングのことを。

 

スタンピングやカービングの際にみなさんがすることは「革を水で湿らせる」ことですよね。

これは、革の可塑性を利用したれっきとした工程です。

 

革を水で湿らせると、革は柔らかくなります。

柔らかくなった状態で刻印を打ち込んだり、カット線を入れ、革が乾燥するとその形が固まって残ります。

スタンピングやカービングに最適な革も、タンニン鞣しのヌメ革でしたね。

 

この作用を利用すると、型枠を作って濡れた革を型枠にセットし、圧力をかけて乾燥すると、型枠の形の革が出来上がります。

これは革の可塑性を利用した「絞り(型に入れ圧をかける)」という工程になります。

 

また、革靴を作る際は、木靴の型に濡れた革を被せて、革と木靴をゴム製チューブなどで巻きます。

ゴム製チューブで革を木靴の型に巻くことで圧力がかかり、革が乾燥すると木靴の形に変形します。

 

この

革を水で濡らし、型に入れて、圧力をかける
革を水で濡らし、型に巻いて、圧力をかける

などを行うことにより、革に型の形をうつすことが可塑性により可能となります。

 

 

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可塑性を使った作品

写真は、私が実際に作った革製の鈴です。

市販で鈴用ドーム型の型枠が売っており、それに濡らした革をセットし、万力などで圧力をかけます。

 

革が乾燥すると、ドーム型の革が出来上がるので、ドーム型2つを貼り合わせると、写真のような鈴になります。

 

可塑性を使った作品には

・革製の鈴

・革靴

・ペンケース

・スマホケース

・メガネケース

・キーケース

などがあります。

 

まとめ

可塑性とは

物体に応力を与えたときに生じた変形が、応力を取り除いても戻らない性質のこと

 

レザークラフトでできる可塑性を利用した工程

絞り
スタンピング
カービング

など

 

革の持つ可塑性を使うと、綺麗な1枚革で型枠の形をうつしとることができます。

その美しいフォルムは、高級感や気品を表し、見る者を和ませてくれます。

 

可塑性をうまく使って、レザークラフトライフを楽しみましょう♪

作品の幅も広がりますよ~

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