お客様から制作依頼のあった商品が、ついに完成!
今回は、お客様自ら革を持ち込まれての制作となりました。
今までレザークラフト制作はヌメ革をメインに行ってきただけに、今回持ち込まれた革は非常に苦労しました。
なんせ、本来ソファー修理のために購入された革なので、コバ磨きなぞできるわけもなく・・・
革の縁を折り曲げなければ美しくならないため、漉き作業が必要になります。
この漉き自体も至難の業でした💦
漉いた革は15cmほど漉くたびに、ゴミ箱へ刷毛で払い落とさなきゃならない。
そうしないと、漉いた革の残骸が漉き作業の邪魔になります。
革包丁は3本使いで切れ味が悪くなるたびに、革砥で革包丁を砥ぐ作業。
それでも切れ味が悪くなるので、漉き作業ある時は毎日、砥石で革包丁を砥いでいました。
そんなこんなで、悪戦苦闘しながらも完成した依頼品を、ぜひご覧ください!
依頼者の望むナップザックをサンプルで作ってみたら失敗作に
お客様からは当初、ナップザックを作ってほしいと依頼がありました。
そこでまず、サンプル品を作ってみました。
こちらは反対側ですね。
サンプルを作って、実は失敗作なのが判明します。
失敗ポイントは、ココ↑
ナップザックの口が閉まらない状態に・・・
革でナップザックを作るには、ハードルが高かったです💦
・ ひも通し部分の幅を、もっと広くとる
などしないと、革製のナップザックは口が閉まりません!
残念ながらお客様持ち込みの革では、いくら革を漉いたところで無理っぽい。
そこでナップザックタイプはあきらめ、背負えるタイプのバッグ作りへと方向性を変えました。
失敗作から依頼者の望む多目的な背負い方を追求したらここまで変化
完成した商品がこちら。
ナップザックと比べて、かなり変化しましたよね(笑)
お客様持ち込みの革だけで制作しようと思ったのですが、革が足りなくなったり、強度的に強くしたいところもあり、結局私がいつも使っているヌメ革を一部使用することにしました。
バッグ部分とベルト部分。
ベルト部分に実は仕掛けがありまして、のちほど詳しくご紹介します。
バッグ表側。
大きさは約40cm×40cm。
写真ではあまり大きさが伝わりませんが、かなり大きめなバッグです。
しかもバッグ蓋部分が、かなり自己主張してます(笑)
経年変化して飴色に変わると、いい味を出してくれそうです。
こちらは裏側。
当初、お客様はナップザックを希望でした。
その場合の背負い方は、両肩にベルトがくるランドセル型のような感じに。
そして、ショルダー型でも背負えるように、金具を数か所取り付けました。
バッグ裏側には、幅広ポケットが一つあります。
A4用紙ほどの大きさなら、横に入れても余裕です。
バッグ表側の蓋を開けた状態。
ファスナー付きポケットが2つと、折りたたみ傘などの長い物を入れるポケットが一つ。
そして、ナスカンなどを引っかける部分が一つあります。
こちらは大きいファスナー付きポケット。
内側には取っ手を付けました。
ちょっとした持ち運びにと思ったのですが、必要なかったかもしれませんね💦
まぁ、おまけ的な(笑)
ここが一押し! アイディアから生まれた可変式ベルト
今回お客様が望む背負い方+αを追求したところ、ベルトを可変式にするアイディアが生まれました。
ベルトパーツは、全部で4つ。
こちらは反対側ですね。
この4つのベルトパーツが、ランドセル型とショルダー型に変形します!
変形① ランドセル型ベルト
4つのうち2パーツを使用したランドセル型ベルト。
バッグ裏側に取り付けた状態。
これでランドセルのように、両肩にベルトをかけた状態で背負うことができます。
変形② ショルダー型ベルト
続いて4パーツすべてを使い、ショルダー型ベルトに変形させます。
まず3つのパーツを使い、ナスカンとDカンを取り付けます。
取り付けたベルトを、残ったパーツのジャンパーホックに取り付けます。
ジャンパーホックに取り付けました。
あとは折り込んで、4か所ジャンパーホックに取り付けます。
ショルダー型ベルトに変形!
なんか、ギミック感あふれるベルトに(笑)
バッグ裏側に取り付けた状態。
これでショルダーバックとしても使えることができます。
2WAYの背負い方ができる可変式ベルト。
バッグよりも、ここが一押しって・・・(笑)
でも自分的には、大変満足の出来です。
普段使わない革からの商品制作。
悪戦苦闘、四苦八苦しながらも作り上げたのは、なんとも言い表せない充実感があります。
お客様が喜んでいただければ、作り手にとってこの上ない幸せです。
今年はレザークラフト商品の販売も視野に入れて、ただいま準備している最中。
商品販売が整いましたら、ブログでご紹介していきます。
これからも「龍造寺大雅の経年変化と共に歩む人生」を、宜しくお願い致します。
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