あのぉ、龍造寺さん…
経年変化をリセットする方法があるとか、ないとか… |
あぁ~、ありますね。
完全にリセットできるわけではないですが… |
その方法って、大丈夫なんですか?
リスクはないんでしょうか… |
う~ん… リスクはありますよ。
なんせ、邪法ですからね… |
えっ…
邪法… |
はい。
自己責任でやる分には、問題ないとは思いますよ。 |
あぁ…
自己責任で、ですか…? |
そうですね、自己責任で。
経年変化をリセットさせなければならないだけお手入れしてこなかったのは ご自分の責任ですからね! |
すみませんっ!
つい、お手入れサボっちゃってて💦 |
大事にしてた革製品、カビ生えちゃったんですもんね。
普通なら捨てようと考えるのに、なんとかしたいと相談してくれるだけ エライですよ! |
大変、恐縮なのですが…
革製品の経年変化をリセットする邪法、教えていただけませんか? カビ生えた革のバッグ、初任給で買った思い出のものなので… |
いいですよ!
「モノを大切に使おう」という心意気に免じて、ご紹介しますよ(笑) |
はい!
久しぶりに小劇場風でお送りしてみました(笑)
なんて仰々しくご紹介しておりますが、なんのことはない。
ぶっちゃけ、革製品の丸洗いのことです(笑)
これまでも革製品の丸洗いに関しては、ブログでもご紹介してきました。
前回ご紹介した、スマホホルスター。
丸洗い前の状態がこちら。
<表面>
<裏面>
表面は良さそうに見えるんですが、裏面の革紐部分にカビが…
そのため、丸洗いを実行することにしたんですよね。
ちなみに、今現在のスマホホルスターはこちら。
2020年の6月に丸洗い後、ニートフットオイルで油入れ。
その後は、放置状態でした。
1回しか油入れていないため、革の色は丸洗い前よりも薄い飴色。
裏面、革紐部分のカビは、今では見る影もありませんね。
経年変化のリセット & カビ取りが、邪法と呼ばれる革の丸洗いの効果として現れている一品です。
なぜ、革製品の丸洗いが邪法と呼ばれるのか?
それは、革が水分に弱いとされているからです。
”されている”ではないですね。
実際、水分に弱いです。
なんせ、「革 = 皮」ですから。
私たちの皮膚だって、お風呂に長時間入っているとふやけてしまいますもんね。
水分には弱いんです。
ただ、この水分を用いて革の加工をする方法があります。
レザーカービングや、革の可塑性を用いた成形ですよね。
水分だってうまく使うと、革製品の雨ジミ緩和にだってなる。
必ずしも水は、革製品にとって悪ではなく、『必要悪』なんです。
実は、革製品を丸洗いしたのは、この時が3回目。
以前にはREDWINGのブーツや、B3ジャケットも行っておりました。
今回は、経年変化をリセットする邪法「丸洗い」について、ご紹介します。
革製品の丸洗いを推奨しているわけではありません。
邪法とも言っているとおり、リスクが伴いますので、やるのであれば自己責任で!
革製品の丸洗いとの出会い
私が革製品の丸洗いと出会ったのは、こちらの動画が初でした。
Youtuber チョコダディさんの動画です。
チョコダディさんは、ヤフオクやフリマなどで革製品を破格の値段で仕入れ、丸洗いやリペアを施し、欲しい方にお手頃価格で提供している方です。
この動画と出会い、革製品の丸洗いに興味を持ちはじめた私。
元々、REDWINGのブーツが欲しいなぁとは思っていたのですが、正規の値段では3万円を軽く超えてしまいます。
中々、手を出せませんでした。
しかし、ヤフオクやフリマなどでは、汚れやカビが生えているREDWINGブーツは、破格の値段で取引されています。
どうしても本革のブーツは、カビが生えやすいですからね。
大事に使っていても…
革製品の丸洗いやリペア方法を身につければ
自分で使う革製品を、甦らせることができるんじゃないか? |
そう考えた私。
レザークラフトを趣味としている手前、丸洗いやリペア技術は身につけても損はありません。
そこで2018年の6月、ラクマにてREDWINGブーツを5,000円で購入。
それが、こちら。
かなり、使いこまれていますよね。
ヴィンテージ感、ハンパないっス。
紐通しの金具部分なんて、緑青が…
ようは、カビですね💦
だからこそ、5,000円という破格の値段であるわけで…
これをこのまま履くのは、かなりの抵抗があります。
ってか、ムリ!
そこで、経年変化をリセットする邪法「丸洗い」の出番です!
REDWINGブーツを丸洗いで、経年変化をリセット
2018年の6月にREDWINGブーツを仕入れ、同月に丸洗いを行いました。
丸洗いに使う道具、資材は以下のとおり。
● スーパーホーミングクレンザー
● ボディソープ
● 靴ブラシ
● 使用済み歯ブラシ
丸洗い工程は、以下のとおり。
① 丸洗いする前に、REDWINGブーツ内外のホコリを掃除機や歯ブラシを使い、落とせるだけ落とす。
② ブーツに付着しているホコリや汚れをある程度落としてから、シャワーの水でブーツ全体を濡らす。
この時、なるべく水をかけ過ぎないように。
※ 丸洗いには、お湯だとゴムのり等が剥がれる場合があるため、必ず水で行うこと。
③ 靴ブラシにスーパーホーミングクレンザーをつけ、ブーツのソールを擦り洗い。
④ 歯ブラシにスーパーホーミングクレンザーをつけ、革紐通す金具の緑青を擦り洗いで落とす。
⑤ ブーツの表面の革は、歯ブラシにボディーソープをつけたもので、優しく擦り洗い。
⑥ ブーツ内面の革は、両手にボデーソープをつけ、手で擦り洗い。
※ ブーツ内面の汚れが目立つ部分には、歯ブラシにスーパーホーミングやボディーソープをつけて洗う。
⑦ 最後にシャワーの水で、ブーツについているスーパーホーミングやボディーソープを綺麗に洗い流す。
革紐通す金具の裏。
緑青だらけ…
こういったカビが生えている部分は、念入りに歯ブラシとスーパーホーミングクレンザーで、これでもかと優しく擦り洗いしました。
丸洗い完了後は、ブーツの形を整えて干します。
おっ!
この干している写真だけでも、REDWINGブーツの雰囲気が違くないですか?
丸洗いにより、どのような変化を遂げたのか?
次から見ていきましょう!
REDWINGブーツの経年変化リセット後
それでは、気になるREDWINGの丸洗い後の姿をご覧いただきましょう!
どうですか、この変わりよう!
ビックリですよね。
ラクマ購入当初がこちら
丸洗い後がこちらですからね!
ホントに、経年変化をリセットしちゃってる!
カビも取れてて、スゴイ!! |
「別のREDWINGブーツじゃないの?」と言われても、おかしくはない変化ですよね。
私も自分でやってて、ここまで変化するものだとは思いもしませんでした。
これを数日干し、最後にオイルを入れて邪法「丸洗い」の全工程が終了となります。
干すときは、できれば陰干しの方が良いです。
天日干しだと革に直射日光が当たり、革にダメージを与えかねません。
天日干しにするなら、快晴よりも曇りの日が良さそうです。
ミンクオイルを塗ったら、色が全く変わっちゃった!!
数日干したREDWINGブーツがこちら
洗い立ての状態と比べ、革のくすみや乾燥が見て取れますよね。
このままではイカンので、油分を補給させるためミンクオイルを使いました。
こちらのミンクオイルは、革製品には万能といっても良いでしょう。
指に取って、指の温かさでクリームを溶かしながら、革に塗りたくります(笑)
はい、私は塗りたくってます!
比較的安価で購入でき、靴屋さんに行けば、たいてい商品として置いてあります。
手に入れやすさも、ありがたいです。
さぁ、それではミンクオイルを、REDWINGブーツに塗りたくっていきますよ!
塗りたくった後の写真がこちら。
はっ、何コレ!
全然、違うじゃないですか!? |
私もそう思いましたもん。
全然、違うやないけ! と(笑)
ミンクオイル塗ったのと、まだ塗っていないのを比べるとわかります。
ねっ!
全然違うでしょ(笑)
染色したわけじゃないんですよ。
ミンクオイルを指で塗りたくっただけです。
こんなに違いが出てしまい、笑うしかなかった記憶があります(笑)
丸洗いで経年変化をリセットしたと思ったら、ミンクオイルで経年変化が甦っちゃった!?
これは、あくまでも成功例の一例に過ぎません。
スマホホルスターもREDWINGブーツも、丸洗いで成功した例。
実は丸洗いにより、革製品をダメにしてしまった例もあります。
それは…
といきたいところなのですが、前編はここまで!
近日公開予定の後編にて、丸洗いの失敗例をご紹介します。
お楽しみに~♪
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