体長5㎜程度で、全身が雪のような綿で包まれたように見える雪虫。
例年、10月中旬頃ともなると雪虫発見情報がよせられる北海道。
今年もここ2~3日で、大量に飛んでいる姿を間近に見ました。
雪虫は冬の到来を告げる風物詩。
俳句では、冬の季語としても知られています。
秋が終わり、冬がやってくる。
季節の変わり目を教えてくれる冬の使者、雪虫。
実際には、虫の嫌いな人にとって害虫でしかありませんけどね(笑)
私も雪虫が大量発生する今時期は、とても苦手です。
できれば、あまり外に出たくはありません。
雪虫が、衣服や髪の毛につくのは当たり前。
しまいには、口に入ったり目に入ったりしますからね。
あいつらは…
雪虫を神秘的というイメージを持たれている方にとっては、元も子もない話ですよね。
大変申し訳ございません。
北海道民にとっては、あるあるの雪虫被害。
雪虫が飛ぶということは、主に3つのことを私たちに教えてくれています。
① 1~2週間後には初雪が降る目安に
雪虫は季節の変わり目を教えてくれる冬の使者であり、数日中には初雪が降ることを意味します。
いろいろ調べてみると、雪虫が飛んでから1~2週間後には初雪が降るというものが平均的。
その理由としては、雪虫自体の特徴にあるのかもしれません。
雪虫はアブラムシの仲間で、白腺物質を分泌する腺が存在するものの通称であり、正式名称ではありません。
具体的な種としては、トドノネオオワタムシなどのアブラムシが雪虫という通称で呼ばれています。
普通アブラムシというと、花の茎などにいる緑色の虫のイメージですよね。
羽のない緑色の虫=アブラムシというイメージが定着していますが、秋になり越冬する前などに羽を持つ成虫が生まれます。
この成虫が白い蝋物質を身にまい、飛ぶ姿が「雪虫」と呼ばれる由縁。
雪虫のオスの寿命は1週間ほどしかありません。
メスの寿命はオスよりは長いようですが、卵を産むと死んでしまいます。
熱に弱く、人間の体温でも弱るため、皮膚について動けなくなっている雪虫もいるくらい。
雪虫は儚く短命です。
越冬のために交尾して産卵をする雪虫。
オスの1週間ほどという短い寿命。
産卵したメスも死んでしまうという儚げさ。
1~2週間で初雪が降る目安となる期間、雪虫は懸命に、次世代の子孫のために一生をかけているんですね。
② 衣替えを強制的にさせてくれる
雪虫が飛び交う季節に外を出歩くと、衣服のあちらこちらに雪虫が付着。
そのため、ジャンバーやウインドブレーカーなどの撥水加工がされているサラサラ・ツルツル生地の衣服を着る方が、雪虫の付着を最小限に留めてくれます。
雪虫が飛ぶようになると「もうすぐ初雪が降るから、衣替えの季節だなぁ」というよりは、「雪虫が衣服につくの嫌!」という雪虫対策で、衣替えを強制的にしている方も多いです。
私も、そのうちの一人なんで(笑)
なお、雪虫が衣服についた場合、手やティッシュ等で無理やり取ってはダメ。
雪のように見える白い綿は蝋のため油分があります。
潰してしまうと、シミの原因に。
掃除機などで上からそっと吸い取るか、息を吹きかけて自然に離れるようにするのが一番よい方法です。
③ タイヤ交換時期を考えるきっかけに
雪虫が飛び始めると、カーディーラー・カー用品販売店、ガソリンスタンドなどは例年、賑わいを見せ始めます。
その理由は、車のタイヤ交換。
積雪のある地域では、毎年2回のタイヤ交換時期があります。
夏タイヤ交換時期と冬タイヤ交換時期ですね。
雪虫が飛び交うようになると「タイヤ交換いつしようかなぁ」と考えるきっかけとなります。
タイヤ交換をお店で頼む方だと、初雪が降ってからでは大変混雑してしまいます。
タイヤ交換が早すぎるとタイヤが減ってしまうため、雪虫が飛び始めてからタイヤ交換を考える方が多いのです。
私は自分でタイヤ交換をしているため、お店の心配はありません。
ただ、タイヤ交換時期については、雪虫の発生を参考にしつつ、天気予報と照らし合わせながら決めています。
まとめ:害虫でもあり、風物詩でもある雪虫
雪虫が口の中に入ったり、皮膚に付着しアレルギーが発症したという事例があります。
雪虫が出やすい条件として
✓ 木々や草花の多い場所
✓ 風が弱い日
✓ 晴れや曇り
✓ 夕方
などが知られています。
できれば不要不急の外出を避けつつ、外を出歩く場合には
・ 帽子、マスクの着用
・ レインコート等の撥水加工された衣服
・ 可能であれば、ゴーグル着用
することで、被害を最小限に防止してくれます。
1~2週間ほどで雪虫被害はおさまりますが、アレルギーのある方は要注意です。
冬の訪れを告げる雪虫。
初雪も、もうそろそろですね。
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